2022年のCS(クライマックスシリーズ)ファイナルステージが開幕したが、いちスワローズファンとして、ポストシーズンゲームの緊張感は心地良く感じられる。


スワローズにとって、タイガースの投手力は手強いと思う為、個人的にはCSファイナルステージの戦いを通じ、何とかスワローズが先制点を奪って欲しいと期待している。スワローズが先制できれば、タイガースの強みである中継ぎ・抑え投手の起用が難しい展開に持ち込めるので、勝利の可能性を高められる。


今日の試合は、スワローズにとっては理想的と言える展開に持ち込めたように感じられた。初回に先制した後、序盤に追加点を奪ってリードを広げたことで、短期決戦の戦いでは重要な初戦を優位に進められた。


神宮球場で開催されたCSファイナルステージ第1戦は、スワローズが7-1でタイガースに快勝。リーグ優勝によるアドバンテージの1勝があるため、スワローズは2勝目を挙げた。


今日の試合を振り返ると、初回の攻防が試合展開の縮図となったように感じられた。


スワローズ先発の小川投手は、初回にタイガース2番の島田選手にヒットを打たれたが、3番の近本選手を併殺に打ち取って切り抜けた。今日の試合でタイガースはスワローズを上回る9安打を放ち、再三塁上を賑わせたが、併殺や走塁死などでチャンスを生かせなかった。


タイガース先発の西勇投手から、スワローズ打線は二死から山田哲選手と村上選手が連続四球を選び、オスナ選手の本塁打で3点を先制した。初回の3点は、タイガースの強みである勝ちパターンの中継ぎ・抑え投手の起用を難しくすることに加え、タイガース打線がシーズン中やCSファーストステージを通じて破壊力に欠けるという意味でも大きかったと思う。


スワローズ打線は2回も長岡選手がヒットを放ち、小川投手の送りバントなどで二死三塁とすると、山崎選手がタイムリーを放って1点を追加。3回にもオスナ選手の二塁打と中村捕手の二塁ゴロで一死三塁とし、サンタナ選手の犠牲フライで追加点を奪い、リードを5点に広げた。2回と3回の攻撃は、送りバントや凡打も生かしながら得点を奪ったもので、打線が繋がっていることを感じられる流れだった。


7回にはサンタナ選手がバックスクリーンへツーランを叩き込んだが、この当たりはタイガースとのシーズン開幕戦で放った2本の本塁打を思い出させるものだった。終盤戦に欠場していたサンタナ選手の復調は、短期決戦におけるプラス要因だろう。サンタナ選手の本塁打で、試合の趨勢はほぼ決したと思う。


スワローズの小川投手は2回に無死二塁のピンチを切り抜けた後は、味方打線の援護もあり、順調にイニングを重ねられた。6回にタイガース島田選手のタイムリーで1失点したが、7回二死で降板するまで初戦の先発を任されたチームの期待に応える投球だった。


高津監督は7回の二死一、二塁という局面で石山投手を起用。石山投手は三振を奪ってピンチを切り抜けた。8回の先頭打者であるマルテ選手に二塁打を打たれると、田口投手が登板した。田口投手は二死二塁から近本選手にレフト前ヒットを打たれたが、レフトの山崎選手からの本塁返球でマルテ選手を刺し、得点は許さなかった。9回は清水投手が登板し、試合を締め括った。


タイガース打線は、今日の試合で3度無死二塁というチャンスを作ったが、得点したのは1度のみで最少得点に止まった。タイガース打線は決め手に欠けたようにも感じられたが、個人的にはそれ以上にスワローズバッテリーが試合を通じて慎重に対峙し続けたと思う。


4勝で決着する短期決戦において、初戦を終えてスワローズがアドバンテージを含む2勝としたことで、CSファイナルステージの主導権は握ったと思う。だが、個人的には過去のCSでは逆転されて敗退したチームの例もある為、日本シリーズ進出に大きく前進したとまでは言えないと思っている。


スワローズは第2戦で、シーズンを通じて先発ローテーションの一角で機能したサイスニード投手が先発する。信頼できる先発投手の頭数が足りない不安を抱えるスワローズだが、第2戦も勝てれば不安を払拭できる。今日のように先制点を奪って、優位な展開に持ち込むことを期待したい。