リーグ連覇を決めたスワローズにとって、残り試合は消化試合ではあるものの、対戦相手がCS圏の3位争いをするチームなので、高津監督がどのような戦いをするのだろうかと注目していた。


高津監督は前日と今日のタイガース戦に関しては、文字通りの消化試合としてレギュラーではない若手主体の布陣で挑んでいる。前日の試合は勝ち目に乏しい展開だったが、今日の試合は終盤までロースコアで推移し、スワローズが勝てる可能性を残し続けた。だが、スワローズは終盤に失点してタイガースに連敗した。消化試合と割り切って戦うスワローズとベストメンバーでCS圏の3位を目指すタイガースの差が、スコアに反映されたように感じられた。


神宮球場で開催されたスワローズvsタイガースは、1-2でスワローズが敗戦。スワローズは連敗で貯金18となった。


今日の試合で、スワローズは市川投手を先発させるとともに、1番センターで赤羽選手、8番に古賀捕手を起用した。CSファイナルステージを戦うにあたり、レギュラークラス以外の選手をメンバー入させるか否かの見極めに消化試合を活用している感がある。かたやタイガースは、伊藤将投手を先発に起用し、スタメンもベストメンバーである。両チームの布陣を見る限り、前日の試合のようにタイガースの一方的な展開で推移しても不思議ではない。


だが、今日の試合は終盤までロースコアの接戦となった。その最大の理由は、スワローズ先発の市川投手が5回1失点で持ち堪えたからだろう。


初回に中野選手に2試合連続で先頭打者本塁打を被弾したが、その後はピンチがありながらも無失点で凌いだ。ポール先行となることが多かったが、5回で2四球だったのだから、前日の高梨投手よりは遥かに好印象である。5回以外は毎回出塁を許し、投球数は98球に達した。ギリギリのところで、先発として期待される5回を投げ切った。2回の二死二、三塁のピンチで、センター赤羽選手のファインプレーにも助けられた。5回には山田哲選手が二塁ライナーをジャンプして好捕した。


スワローズはCSファイナルステージを戦うにあたり、先発の頭数が足りない。今日の投球を観て、高津監督が市川投手を先発起用する可能性があるかもしれない。


その後は6回に大西投手、7回に石山投手、8回に清水投手、9回は久保投手と今野投手が起用された。各投手とも奮闘したが、8回に登板した清水投手が先頭打者を四球で出塁を許し、二死二塁から原口選手にタイムリーを打たれて、勝ち越し点を許した。この失点が決勝点となったが、絶対に勝たないといけないタイガースの執念を感じられたシーンだった。


スワローズ打線は、タイガース先発の伊藤将投手に3回まではパーフェクトに封じられた。4回に赤羽選手が放った一軍初安打が、今日の試合でチームが放った最初のヒットとなったが、後続が封じられ、5回まで無失点に抑えられた。


ようやく6回に代打で起用された松本友選手のヒットと赤羽選手の送りバントなどで二死三塁とし、途中から山田哲選手に代わって起用されていた奥村選手の投手前への詰まった当たりが内野安打となり、スワローズが同点に追い付いた。続く村上選手は申告敬遠され、タイガースは浜地投手を起用。オスナ選手は浜地投手に抑えられ、逆転には至らなかった。


タイガースは浜地投手の後も、7回からケラー投手、湯浅投手、岩崎投手の順で勝ちパターンの継投を行った。そして、スワローズ打線は、7回以後はパーフェクトに封じ込まれた。タイガースの高い投手力が発揮された試合となった。


スワローズの村上選手は、申告敬遠以外は3打数無安打で打率を下げた。9回には本塁打で同点という局面だったが、岩崎投手に三振を奪われた。


今日の試合を自分はおそらく予約時のミスにより、レフトポール後方のタイガースファンに囲まれたエリアから観ていた。村上選手の打席はボール球を見極め切れず、中途半端なスイングも多く、タイガースバッテリーの攻め方で崩されているように感じられた。


自分は神宮球場のタイガース戦をレフトスタンドで観た記憶がない為、タイガースファンのコロナ禍での応援スタイルなどを知る良い機会だと思いながら観ていた。テレビ中継や一塁側・ライトスタンドから観ていると、応援マナーなどに問題があるのかもしれないと思っていたが、今日の試合はレフトスタンドに居て、問題があるようには感じなかった。得点が入った瞬間にはファンの歓声はあがるが、個人的には不快に感じるレベルではなかった。勿論、人によっては不快に感じる向きもいるのだろう。他者の感覚は否定しないが、自分にとってはその場に居ることで、知ることができるものがあると改めて考えさせられた。


スワローズはタイガース戦に連敗したが、明日からはカープと2試合を戦う。消化試合とは言え、明日の試合では石川投手が先発する為、チーム内に勝ち投手にしたいという気運が高まるかもしれない。スワローズには残り試合で様々な選手を起用しながら、CSファイナルステージを勝ち抜く為の布陣作りを進めて欲しいと期待している。