リーグ連覇が決まったスワローズは、今日のタイガース戦に若手主体の布陣で挑んだ。塩見選手、山田哲選手、中村捕手がスタメンを外れ、青木選手とサンタナ選手が登録抹消となった為、宮本選手が二塁手、丸山選手が右翼手でスタメンに名を重ね、松本友選手は左翼手で3番打者に起用された。


だが、対戦相手のタイガースはCS圏の3位になる可能性があり、ほぼベストメンバーの布陣でエースの青柳投手を先発に立てて必勝体制で挑まれた。


結果的には若手主体の布陣で挑んだスワローズは、ベストメンバーのタイガースに投打ともに圧倒され、スコア以上の完敗となった。


神宮球場で開催されたスワローズvsタイガースは、1-4でスワローズが敗戦。スワローズは貯金19となった。


リーグ連覇を果たしたスワローズの首脳陣にとって、残り試合をCSファイナルステージで起用する先発候補の見極めに利用したいという思いがあるだろう。小川投手、サイスニード投手、石川投手に加え、コロナで登録を抹消された高橋奎投手までは先発起用が有利だが、先のベイスターズ戦でブルペンデーを設けたように先発の頭数自体が足りない状況が続いている。CSファイナルでもブルペンデーを設ける可能性は、十分にあり得るだろう。


その為、今日の試合に先発した高梨投手と明日の試合に先発する市川投手にとっては、CSファイナルステージで先発登板するためにアピールする必要がある。高津監督が高梨投手を先発起用したのは、実績がある投手の復調を期待したいという思いもあったのではないだろうか。


高梨投手の結果は、5回4失点だった。最近の高梨投手は制球に苦しんでいるが、今日の試合でも5四死球と厳しい投手に終始した。高梨投手の投球からは、高津監督からストライクで勝負することを要求されていることなどを踏まえ、何とかしたいという姿勢めいたものは感じられたが、ボール先行のケースが多く、ストライクを取りに行った球を捉えられて、失点を重ねた。


初回は中野選手に先頭打者本塁打を被弾。4回は佐藤選手の二塁打と2四球で一死満塁とすると、追い込まれるまで全くタイミングが合っていなかった髙寺選手への勝負球が高めに浮いて犠牲フライで1失点。5回も2四球で一死一、二塁とし、大山選手と原口選手の連続タイムリーで2失点。味方の守備に助けられながらも、失点を食い止めきれなかった。


今日の高梨投手は曲がりなりにも5回を投げ切り、最近の登板よりは長いイニングを持ち堪えた。個人的には高津監督が高梨投手に対し、CSファイナルステージで先発の一角として起用するかと言えば、現段階では厳しい印象を受けるが、他の投手の状況も良くないのであれば、消去法で起用する可能性もゼロではないかもしれない。


2番手以降は星投手(2イニング)、田口投手、久保投手の順で登板し、タイガース打線に追加点を許さなかった。星投手は2イニングとも2四球という結果で、CSファイナルステージで中継ぎの一角に加わるには厳しいように感じられた。田口投手と久保投手は持ち味を発揮したと思う。


スワローズ打線は、タイガース先発の青柳投手に対して、宮本選手が放ったソロ本塁打の1点のみに封じられた。青柳選手から放った6安打の内訳は、オスナ選手が2安打、山崎選手、宮本選手(本塁打)、長岡選手、内山捕手で、一軍の試合に一定数出場している選手のみだった。


7回以降は浜地投手、湯浅投手、岩崎投手というタイガースの勝ちパターン継投に封じ込まれた。スワローズの若手は、捉えることができなかった。


村上選手も無安打で、本塁打から遠ざかるとともに打率でドラゴンズの大島選手に肉薄された。個人的には高津監督がスタメンから外すことも、村上選手が休みたいということもないと思う。村上選手には、自らの力で状況を打開して欲しいと期待している。


スワローズは残り4試合となったが、対戦相手はタイガース、カープとCS圏の3位を狙うチームとの対戦が続く為、若手主体の布陣で挑む場合には苦戦が予想される。明日の試合も、両チームの予告先発投手からは厳しい試合となる可能性が高い。スワローズにはCSファイナルステージに向けて、先発投手を中心に新戦力などの見極めが進むことを期待している。