サンケイスポーツ(東京版)の一面トップで、以下の記事が掲載されていた。

今季限りで退任した小川淳司前監督が、球団では初となるGMに就任したことに対して賛否が飛び交っているようだが、自分は小川GM体制を支持する考え方を有している。更に記せば、小川GMに疑問視する考え方に対して、一理あると納得できる点が乏しい。


自分が小川GM体制という一報を受けての第一印象は、以下のツイートである。

小川GMに対して疑問を呈する理由として、宮本ヘッドコーチ(HC)が辞任したのに、自らはGMという編成を統括する立場で球団に残ることはおかしいという見方があるようである。


自分の捉え方は、上記のツイートに記した通り、小川GM体制となることによって、今季限りで辞任した宮本HCが「スワローズ(現場)復帰」という可能性が繋がったというものである。


宮本前HCは、先週TBSラジオの番組に出演した際に、スワローズで現場復帰したいという思いを語っていた。


だが、3年前に監督に復帰する際に、HCに招聘した小川監督が辞任して、GM就任も固辞したら、ヤクルト球団内に宮本HCの復帰を期待する存在は不在となっていた可能性が高い。古田敦也元選手兼任監督が、スワローズで現場復帰しないのは、そうした声が球団内で高まらないからか、復帰を期待する対象がいても発言力が限定的だからである。


宮本HCの辞任は、小川監督の辞意を受けてのものであり、一緒に退いて欲しいという要望によるものではない。小川監督は辞任決定後のインタビューで、宮本HCの辞任は予想外だったというコメントを発している。


小川前監督がGMという役職で球団内に残ることは、宮本HCの復帰を期待する存在が球団要職に就く意味合いを有する。邪推すれば、小川前監督がGM職をあえて受諾したのは、宮本HCの復帰に向けた道筋をつけたいという思いもある気がする。


小川前監督に何らかの思いがなければ、対外的に色々言われる可能性があるGM職を好き好んで受諾しないと思うからである。


ヤクルト球団が、小川前監督をGM職で招聘した大きな理由は、順調にいけば来オフに国内FA権を取得する山田哲人選手の引き留めに尽力して欲しいというものではないだろうか。


山田哲選手は小川GMがドラフトで引き当てた選手で、1年目にはCSファイナルステージでスタメンに抜擢。2013年に田中浩選手に代わる形で起用され、2014年に右打者最多安打記録も樹立した。


山田哲選手にとって、小川監督・GMはドラフトからブレイクするまでに至る恩師的な存在である。言い方を変えれば、小川GMは山田哲選手を最も良く知る存在の1人である。勿論、コーチの指導力も後押ししただろうが、小川監督が若い時期に山田哲選手を我慢して起用していなければ、全く違う道程を歩んでいた可能性もある。


山田哲選手がスワローズに残留し続けるか、来オフに国内FA権を行使するかは、今オフの契約体系によって見えてくる可能性が高い。


小川GMが就任したのは、山田哲選手と実権のある役職の下で、交渉して欲しいというヤクルト球団の意向に基づいた人選によるものだと思う。


そして、今オフの戦力補強が実質皆無に近いことに対する、状況の改善も期待されているのではないだろうか。


伊東昭光編成部長の下、FA宣言した美馬投手と福田選手の獲得に名乗りを挙げたが、獲得には至らなかった。バレンティン選手も実質的に退団が決定した。


一般的には、最下位に沈んだ球団が新監督を据える場合には、一定の戦力補強をして、現場に渡す筈である。だが、今オフのヤクルト球団の動きは、ドラフトと若手選手の獲得のみで、戦力補強どころか戦力低下という状況に陥っている。


福田選手に条件を上乗せしてまで、複数回の交渉をしたのは、伊東編成部長の立場では無理してでも獲得しなければ、戦力を補強したと言えるだけの実績を作れなかったからだと思う。


小川GMは2014年のSD時代に、FA宣言した成瀬投手と大引選手の獲得に成功して、当時の真中満新監督に前年比で明らかに補強した戦力を渡し、14年ぶりのリーグ優勝を成し遂げる後押しをした。


小川GMは監督としては、チームがどん底だった2010年と2018年に立て直した実績があり、SDとしても上記に記したFA選手の獲得やドラフト指名で実績を残している。


その為、自分は小川GMというのは適職だと思っている。監督として結果が出せなかったのに、GM就任というのはおかしいという見方には与しない。その理由は以下のツイートである。



個人的には、上記に記した理由により、小川GM体制に対して、大きな期待を抱いている。