トロとパズル 二次創作

『天つ空 夢追人』

第4話 観光客を増やそう

 

 

「観光大使の初仕事ニャ!まずは、えっとどこに行くんだっけ?」

「お茶屋さんへ行こう」

「そうだったニャ!わー、クロとふたりでお茶屋さんなんて、まるでデートなのニャ~」

「えへへ、ちょっと照れちゃうニャ」

「それじゃ、お茶屋さんを探しに行くのニャ~!」

 

 

 

 

お茶屋さんに到着したボクたちはそこに空色のネコの姿があることがわかった。

 

「ごめんくださいニャ~、元気のおすそわけに来ましたニャ」

 

扉が閉まり、どこか寂れた「天つ茶屋」と書かれた看板が掛かった木造の建物に、

ボクのスキルを使う。

元気のおすそわけ。

 

 

 

 

「いらっしゃいませ~、「天つ茶屋」へようこそなのじャ」

 

蒸された猫まんじゅうと、フルーツの良い香りが立ち込め、

活気が戻った天つ茶屋。

振り返った空色のネコはソラであった。

 

「あれ、さっきも出会ったような?」

「茶屋でもバイトしてるのじャ~。クロとトロはひさしぶりのお客さんなので準備していたのじャ~」

「観光客です」

 

ボクたちの他にも、お客さんが来た。

 

 

 

 

「わー、千客万来なのじャ~。これも観光大使のクロが立ち寄ってくれたからなのじャ~」

 

腕を上下にオーバーリアクションともとれるその純粋なしぐさに、

ボクのココロがあたたかくなっていくのを感じた。

 

「こんな調子で、町のあちこちを元気にしていけば、観光客が増える予感がするのじャ!」

「観光客が増えれば、きっと人間になれる温泉の情報も手に入るのじャ~」

「にゃるほど、まかせてニャ!」

 

人間になれる温泉の情報を観光客が知っているかは疑わしいが、

途方もない大きなトロの夢を叶えるためにはできることは何でもする覚悟だ。

 

「と、それはおいといて」

 

お茶屋を開店したところまでは良かったのだが、

井戸が壊れているらしい。

さっそく直しに行こう。

 

 

 

 

町の入り口にある井戸。

スキルを使ってきれいな水が溢れ出す井戸へと修理する。

 

 

 

 

 

 

「わーい、さすがクロなのニャ~。人間の手は壊れたものを直せちゃうからすごいのニャ」

 

トロと一緒だったからできたこと。ありがとう。

これで観光客にお茶を提供することができるね。

 

 

 

 

「おー、ありがとうなのじャ~。さすが観光大使クロなのじャ」

「この井戸水で美味しい飲み物をごちそうするのじャ~」

「せっかくなので、お店の中じゃなくて青空の下で飲むのじャ。ソラについてくるのじャ~」

 

井戸を直したお礼にソラが飲み物をご馳走してくれるらしい。

スキルを使うとやはり体力を消耗する。

フルーツ収穫での疲れもある。

ソラのそんな心遣いに感謝するボクとトロであった。