トロとパズル 二次創作

【天つ空 夢追人】

第2話 ようこそ天つ空町へ

 

 

 

 

「クロー!クロー!」

「会いたかったニャ~!」

 

なでなでする。

 

「ふにゃ~。クロのなでなで、ひさしぶりなのニャ~」

「えへへ、会えてうれしいニャ~」

 

 

 

 

ここ天つ空町へ来た理由

それは、なんと!

入ると人間になれるという温泉があるらしい。

その温泉を探すため。

 

一緒にその温泉を見つけてほしいと友達のトロにお願いされたのだ。

 

ボクは異世界を旅するトラベラー。

彼岸花が咲き誇る平野で別れた大切な人、

シロを探して旅している。

 

人間になりたいと願うトロとボクのその夢はどこか儚く似ているようで……

放っておけなかった。

手伝いたいと思った。

 

 

 

 

さっそく温泉を探そうと町の入り口へと向かう。

 

出迎えてくれた看板はとてもボロボロで、

ボクたちを不安な気持ちにさせた。

 

なんとかこの看板をきれいにできないものか。

 

ボクはこの世界でしか使用できない特別なスキルを持っている。

それは、

「リペア(修繕)」

ボロボロになってしまったもの、壊れて動けなくなってしまったものを短時間で修理することができる。

なんとも便利なスキル。

 

 

 

 

ただし、

このスキルの発動条件として、

「パズル」と言われているフルーツ収穫(労働)をしなければならない。

 

このスキルに気づいたのは、

トロからの招待状を受け取り読もうと封を開けたとき、

誤ってマグカップを落として割ってしまった。

 

破片を集めて捨てようとした瞬間。

手元が光に包まれてマグカップが直ってしまったのだ。

 

その時はおそらく

スキルとして認知させるために、

発動条件を免除してくれたのかもしれない。

 

 

 

 

そして今もそう。

そのスキルがあるということを確信へと変え、自らの力で使用するための方法へと導いたのだ。

 

誰が導いてくれたのかはわからないが……

とにもかくにも、

トロの気持ちもボクの気持ちも

リペアという特殊スキルのおかげで晴れたようで……

 

今日からこの町でのトロと一緒、

新しい日常が始まる。