・複雑系が90年代半ばにはやった理由は、"未来を予想しずらくなった社会"という共通認識の下、複雑系の理論を理解することによって先の読めない焦燥感を解消し、乗り越えられるのではないか、という希望 の一端を見つけようとしたのではないか。

・入手できる情報の質と量が飛躍的に向上しても、社会全体のグローバルな動きを的確に予想することが簡単になったかというと、必ずしもそうなっていない。

・フラクタル図形とは、拡大しても縮めてみても同じ形がおらわれる「自己相似性」をもつ図形。

・厳密に規則的な自己相似性を持つ図形ではないが、逆全く違っている形になっているかといえばそうでないものが自然界にはあふれている。

・株価の変動、地震波、楽曲の音高列、交通量、心拍、脳波など様々な分野で、時間的な変動に対してもフラクタルなものが報告されている。

・非常に簡単な非線形写像からも「カオス(どんな周期の周期振動も作ることができる)」が出現することこそ、驚くべきこと。

・簡単なルールからでも、構成要素が相互作用することによって、システム全体としては複雑な挙動をとる。

・セルオートマトンとは、簡単なルールに従って時間とともに機械的に発展する細胞上の要素の集まり。

・セルオートマトンでは、フラクタルやカオスが現れる。

・パーコレーションの特徴は、単純でランダムな確率的なルールでありながら、それぞれの要素が相互作用するために、予想もつかない複雑な現象(例えばフラクタル)が現れる。

・自然の背後には、自己組織的に臨界現象へ向かうメカニズムが存在しているため、臨界減少に対応するベキ分布が自然のいたるところに現れると思われる。

・「複雑な」現象をできるだけ「簡単に」理解するという科学の精神