夜も深け、子供達が寝静まった頃トフィスは外に出て一人酒を呑んでいた。
彼はわかっていた、彼らが無断で出て行くであろう事は。
行かせたくないとは思いつつも、18年前に同じ事をした彼にはその気持ちはよくわかっていた。
「これも運命、か…」
まるで自分に語りかけるかのように、まだ凍えるような寒さの残る夜空に向かってそう呟いた。
トフィスは15年前に封印した地下室へと足を踏み入れ「あるもの」を取り出した。
そして子供達に気付かれぬよう部屋に忍び込み、そっと袋の中にその「あるもの」と1枚の紙を入れるのだった…