裁縫は嫌いではないが うまくない。

     何でも上手につくってしまう人がうらやましい。

 

     和服を上手に縫っていた母を思い出す。

     どうやらそのDNAは受け継いでいないらしい。

 

     とは言っても 日々の生活の中で

     針と糸をどうしても使わなければならない時もある。 

     たとえば洋服のボタンが取れたとき。

 

     壊れたのをきっかけにミシンは買い換えていない。

     なので、

     ズボンの裾あげや長すぎるTシャツの丈をつめる時など、

     針と糸の出番は案外多い。

 

     孫が幼いころは お手玉を作ってやりたくて がんばってつくった。

     

     下手は下手でも何とかなるものだ。

     こどものころ 母に教わってつくったのを思い出しながら 五、六

     個つくった。

 

 

     先日ズボンと長袖のTシャツを買ってきた。

     しばらく前から サイズが合わなくなっていたのだが 我慢して着

     ていた。

     試着したりすることも考えると なかなか買いにいく気もおきず、

     そのままになっていた。

 

 

     その日は 久々に 行ってみようという気になったので 自転車で

     十分ぐらいのところにあるイオンに行ってみた。

     

     Mサイズを選ぶのだが 

     いつも丈をつめなければ長すぎてしっくりこない。

 

     

     いつものように 裁縫箱を出して ちくちく裾上げに励んだ。

     手縫いは時間がかかるが テレビを見ながらなのであまり気

     にならない。

 

     そのあと 以前から気になっていた裁縫箱の整理もした。

 

     久しぶりに母のことを思い出した。