フジファブリックが来年の2月をもって活動を休止するという。

デビューして20年、志村が亡くなって15年。
志村なき時代のほうがずっと長いのに、
それでも志村なしでは語られることのなかったバンドだと思う。

https://natalie.mu/music/news/580684

 

フジファブリックは「絶対に解散しないバンド」。

本人たちが語り、周囲もそう思ってきた。

それがいかに重責であったのか。

今回発表されたメッセージからは、

志村への思いを糧に、フジファブリックを守り抜くという使命感で、3人が駆け抜けてきた日々の重さ、尊さが感じられた。

亡くなってしまった人と残された人。

彼らにしかわからない葛藤とずっと闘ってきたのだろう。

 

フジファブリックを知ったのは2018年だから、そう昔ではない。

きっかけはもちろんエレカシだ。

エレカシを聴く中で知り合った人、親しくなった人から、様々なアーティストやバンドを教えてもらった。

長い間日本の音楽を聴いていなかったので、ブルーハーツやスピッツも、この頃ようやくまともに聴いた。他にも佐野元春、奥田民生等々...その中にフジファブリックが居た。

他のバンドより少し世代の若い彼らに惹かれたのは、志村正彦の存在がやはり大きい。

瑞々しく、かつ独創的な楽曲の数々と、一度聴いたら忘れられないボーカル。天才だと思った。

志村を失ったのちのアルバムも何枚か聞いた。決して悪くない。

だが、どうしても比較して聴いてしまうことに申し訳なさを感じる。

志村の存在の有無をどう考えるか。

フジファブリックである限り、この問いから逃れることはできない。

 

さて、天才と出会ってしまった3人という意味で、私は勝手ながら、我らが愛すべき3人と重ね合わせてしまう。

もちろんフジファブリックとエレカシは状況が違う。

だが、今もバンド活動を続けてくれているエレファントカシマシが、いかに奇跡のバンドか。

改めて彼らに感謝をささげよう。

そして、もちろん、新たなスタートを迎えるフジファブリックの3人にも感謝と激励を伝えたい。

 

最近、宮本ソロのファンクラブができるとかで、ではPAOはどうなるのか、と心をざわつかせていた自分が恥ずかしい。

今この世に、エレファントカシマシが存在しているだけで十分だ。