身から出た錆

私は今、例の流行り病の陽性反応が出てしまい自宅でのんびりとした時を過ごしています。
数日前に３９度の熱が出て職場に休むと電話を入れる。オーナーは当然のように、
「PCR検査受けてきてね」
私は、この時まだ事の重大さに気づいていませんでした。発熱していると受け入れてくれる病院はなかなか見つからない。やっと見つかった病院へと向かうが、駐車場で待機。保険証も窓越しに見せる。PCR検査キットをゲットして家に一旦帰宅。次の日の朝に採れたての唾液を持って病院へ。

２日で熱も下がり、正直余裕をかましていた。翌日の出張ネイルのお客様の用意をして行く気満々でした。
「コロナ？そんなもんにこの私が、なる訳ないやろが！」
ぐらいに、思っていたのです。しかし、病院から電話があり、
「P C R検査の結果、陽性でした」
え、妖精って。。。
「え、もう熱ないんですけど。めっちゃ元気ですけど間違ってないですか？あの、血液検査とかはしないんですか？」
医師の誤診をめっちゃ疑ったけど、一度陽性の烙印を押されたら、もう後には引けないのでした。
 
はじめは家に居なければいけない事が苦痛で仕方なく、自分の大切な自由な時間を奪われた気がして世の中を凄く恨んでしまいました。
こんな世の中だから、やりたい事が出来ないんだと思ってしばらくは世界を呪っていました。彼氏も会いに来てくれず、一人ぼっちの部屋で小説を読んでみたけどちっとも集中出来ない。皆んな仕事に行ったり遊んだりしてると思ったらどうしても自分だけが取り残されているように感じて悔しくて堪らない。誰かと、話したい。触れ合いたい。
 
私はバイ菌なのか？ただの風邪で世の中、騒ぎすぎではないだろうか？２日で熱は下がったのに。身体は動きたがっている。まぁ、これで免疫もついたのでワクチンは打たなくてもよくなったという訳なのかな。
この休みは神様がくれた自由時間と思って思う存分ゴロゴロしてやろう。うん、そう思わなきゃやっていけない。これ以上世界を呪ってても、つまらない。今、この状況で出来る事、やれる事を探すしかない。ネットで買い物も出来るし、ライブ配信だって出来る。今の世の中、有難い事に家から出なくても大体の事が出来ちゃう。
 
けどさ、家から自ら望んで出ない引きこもりの人達とは訳が違うのです。私は、何かを強制されるのがまじで大嫌いなの。そんな私が２週間も家に強制的にいなさいと言われているこの状況は、拷問でしかないのです。苦しくて堪らないのです。ふと精神閉鎖病棟に入院していた日々を思いだす。ああ、こんな感じであの頃も日々何にもせずにダラダラ過ぎていったなぁ。
 
人間はね、何もしてないと腐るのよ。身体も心も錆びるのよ。
 
だからこそ、色んな人とじゃれあって、身体や心を動かさなきゃいけないのだ。
ああ、明日もきっと私の体はまた錆びていく。そうならないように、明日は身体を鍛えよう。大好きな人に思い切って電話をしてみよう。来月は一緒に何処か行こうと誘ってみようかな。