持ち主が手放した物は全てゴミとして、この世をさまよう運命だ。運良く新しい持ち主に辿り付ける物達はとても幸運なのだろう。


果たしてゴミにならない物って何があるのだろうか?例えば代々譲り受けられた宝石や時計。その様に大切に扱われた物達ですら、いつの日かゴミとなり、旅立っていく。



心に残る体験や、想いはどうなるのだろうか?きっと、人間が死んだら一緒に昇華されていくのだろう。恨みや憎しみのような想念は、浄化されることなくカルマとして子孫に受け継がれていくのだとしたら?

私は私の代で色んなカルマを少しでも軽くしてから死にたいと願ってしまう。子供は親が乗り越えられなかった所を超える為に産まれてくるそうだ。そうだとしたら、産まれてきた時点でもう予め物語りは仕組まれているように感じてしまう。親の人生のゴミ出しは、子供達がする。家族が出したゴミは誰かが片付けなければ、いけないのだ。そうやって、代々良い事も悪いことも脈々と受け継がれていくのだろう。


物を買うときは心がときめき、少しでも長い時間を一緒に生きられるような商品を選ぶようにしたい。それが物に対するせめてもの敬意だろう。いつか私もゴミになる日まで。