小林製薬製造のサプリメント「紅麹」による健康被害がおおきな社会問題となっています。
皆様も、健康食品に対する不安が広がったのではないかと、推察されます。
そこで今回は健康食品に関して、私の見解を発表したいと思います。

まず今回の紅麹のサプリメントですが、紅麹に含まれる「モナコリンK」という物資がコレステロールを下げる作用があるということで、小林製薬が研究しサプリメントとして発売しました。紅麹の中には有害物質の「シトリニン」を作り出す菌種もあるのですが、小林製薬はそれを作り出さない菌種を使っていたそうです。
しかし今回全く予想せず、青カビから発生する「プベルル酸」という物質が含まれていて、これが原因ではないかと言われています。

ここで大事なのは紅麹が悪いことをしたわけではないということです。紅麹は中国の古典的医薬書にも収録されており、古くから重要な薬とされてきました。麹菌ではありませんが、同様に味噌や醤油を発酵させることができ、沖縄では豆腐ようを作るときに使われています。また着色料や保存料としても使われています。ですから紅麹は安全な食品と言えると思います。

今回問題なのは、プベルル酸という新しい物質が生成されていたことを発見できなかったことにあるような気がします。健康食品は医薬品のような厳しい品質管理が規定されていなかったので、プベルル酸の発生を確認できなかったのかと思います。
また健康被害が報告されたときにすぐに発表しなかったことも被害を拡大させた一因と思います。

今回のことで健康食品を必要以上に恐れる、悪いものと決めつけるのではなく、必要に応じてうまく使っていただきたいと思っています。薬を飲むほどではないが何か気になるというときには、一つの選択肢になると思います。
 

しっかりした会社が、しっかりした製法で作っているものならば大丈夫です。その選択基準となるものに、「特定保健用食品」いわゆるトクホがございます。これは効能効果や安全性を示すデータを国に提出して、それが認められた物のみが消費者庁からトクホとして許可される物ですから、非常に安全性は高いと思います。今回の紅麹は「機能性表示食品」で、これもメーカーのデータを国に提出しますが、届けるだけで製造できるので、やや安全性に劣る製品だったかと思います。同じような効能の物ならば、何の規格もない「いわゆる健康食品」より機能性表示食品を、さらに機能性表示食品より特定保健用食品を選択する方が良いと考えます。

もし現在服用中の方、あるいはこれから飲もうと思っている方で、不安を抱えられている方がおられましたら、「健康食品管理士」などに相談してみてください。
 

健康食品管理士というのは、厚生労働省推進の元、健康食品に関する専門家を作る目的で10年以上前に創設されました。国家資格ではありませんが、健康食品に関して、有効性や安全性を始めいろいろな疑問に対応する、健康食品の専門家です。健康食品の疑問を、そんな専門家を通して解消してみてください。