こないだも書きましたが、向田邦子さんの随筆『夜中の薔薇』のレビューのつづきです。
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『手袋をさがす』、そして『時計なんか恐くない』という章に向田邦子さんの潔さ、自負、覚悟が出ていて 本当にかっこいい女性だと思いました。
いつも思うけど彼女の文章が30年前のものとは思えない。
『手袋をさがす』は心底気に入った手袋に出会うまで、真冬もかじかんだ手で過ごすという話から始まるけれど、
妥協することのできない自分の内側を見つめて、向田さんが転職を決意し新たな一歩を踏み出す契機を描いている。
人にはそれぞれいろんな器の形があるのかもしれない。
自分の器の形を知らなければ 自分自身を幸せにすることはできないのかもしれない。