初の介護タクシーに乗って
秋晴れの穏やかな日に
街中からお山に近い病院へ
父は転院した
病棟にお迎えに行ったら
転倒防止の為、車椅子で登場
( 映画男はつらいよ。
の寅さんのような笑顔に
ホットした)
開口一番
「逢いたかったよー」って
父は同居する妹と泣きながら握手
( 老人ではなく
お子ちゃまに見える)
人生お初の
介護タクシーを利用して
転院先へ出発
タクシーの中で
父は病衣から着替えて
お散歩に行くのかな?と思った
と話す
( 父は疑いの病名まで
告知されてない)
今日は違う病院で
詳しく検査する為に
転院なんだよ
と付け足すと
あ〜そう言えば
お姉さんがそんなことを
言ってたなぁ〜って
( お姉さんではなく
看護師さんでしょ)
だんだんと近づく山の紅葉を
見ながら父の話は現在と過去を
行ったり来たりする
転院先の病院は
広いエントランスと正面に
大きな絵
病院だけど
コンシェルジュもいる
( すごーぃ所にきたもんだ)
1度父は看護師さんと
病室へ移動してその後
担当医と共に
ミィーティングルームに
歩いてきた!!!
えっーー
歩いてるじゃん!!!
歩けるよーーっ
今度帽子持ってきてね
と会話が続き
暗くなりそうな
雰囲気を打破する
( 父がほんとの
寅さんに見える)
父本人を含めて、私達は
担当医師から検査の説明を聞き
治療を受けますか?の質問に
今の体の状態を知って
治るなら受けます。
と父はハッキリ答える
(病気に負けてない!!
生きたいのだ)
父が頑張るなら
私達も頑張るぞっ
父の生きる力や
精神力は
いったいどこから
来るのだろうか?
終戦から
高度経済成長と共に
モーレツ社員時代を
生き抜いた人の
底力を目の当たりにした
瞬間だった
最後まで読んで下さり
ありがとうございます