【四季報の歩き方】財務が安定していること

おはようございます、３４５です。

今回は、不定期連載、【四季報の歩き方】です。

四季報で銘柄を探す際の個人的な観点を

優先度順に並べるとこんな感じになりました。

成長している（売上高←事業規模をみるため、売上高伸び率）
高い顧客価値、差別化、独自性がある（営業利益率、特色、連結事業、業務内容、業績記事）
業界のポジションと競合（業種内時価総額順位、比較企業）
池に魚が泳いでいる（業界・業種・中長期トレンド）
財務が安定している（資本比率、有利子負債額、現金同等物）
（本業で）稼ぐちからがある（キャッシュフロー、ROE）
業績・財務・キャッシュフローが毎年安定している（売上高推移、純利益推移、キャッシュフロー推移）
配当額は適当である（配当性向、配当額の推移）
株価が適切である（株価チャート、PER、PBR）
魅力的な株主優待がある
その他　株主、連結企業

今回は、

5. 財務が安定している（資本比率、有利子負債額、現金同等物）

についてお話します。

長期投資で大切なのは、結局のところ投資先企業が倒産しないことです。

倒産しないためには、事業を通じて利益を安定的・継続的に出せていること、そして財務面が安定していることですね。

そして、財務面の安定性を見るポイントが、自己資本比率や有利子負債となります。

四季報では以下の赤枠の部分になりますね。

自己資本比率

自己資本比率とは、総資産に対する自己資本の比率、つまり自己資本÷総資産です。

個人的には８０％以上であればかなり優良、５０％以上であればまずOK。

３０％以下になるとすこし注意が必要と考えます。

あとは、その値が悪化傾向にあるのか、改善傾向にあるのか、コントロールできているのかというあたりをみます。

というのがざっくりしたものですが、実際は業種ごとに大きく異なるため、同業他社との比較というのもみておいたほうがいいでしょう。

ちなみに経済産業省のサイトにも産業別の自己資本比率というものが載っていて、

物品賃貸業　１３．１％

電気・ガス業　２３．５％

鉄鋼業　４３．７％

ソフトウェア業　４７．８％

出版業　７６．５％

などとなっています。

出典　

２０２０年企業活動基本調査確報－２０１９年度実績－｜経済産業省企業活動基本調査｜経済産業省

www.meti.go.jp

この記事もかなり業種毎に自己資本比率がまとめられていてわかり易くておススメです。

自己資本比率の目安は何%？安全性の指標になる業界別のリアルな数値この記事では、自己資本比率の目安を全産業の平均値から業界別の目安まで解説しています。この解説を最後まで読めば、自身の企業の立ち位置や次の打ち手が見えてくるはずです。

suzuki-tax.net

有利子負債

有利子負債についても要は自己資本との割合でみたほうがいいですね。

有利子負債比率＝有利子負債÷自己資本(株主資本)×100%　です。

ただ、四季報上は、有利子負債比率としての具体的な数字が記載されているわけではないので、

記載のある自己資本の額に対して、有利子負債がざっくりどのレベルにあるかというのをざっと頭の中でみる感じですね。

当然、自己資本の額に近い数字（もしくは上回っているような数字）であると注意が必要です。

とは言え、どれくらい借金をしてアクセルを踏むのか、というのは会社のステージによっても違うし、自己資本比率で述べたように業種によってもだいぶ異なります。

最近こんな調査結果が発表されましたね。絶対額なので大企業がランクインしていますよね。

決算短信記載の有利子負債を基に集計したところ、ランキング１位は「トヨタ自動車」（有利子負債25兆6,596億円）でした。次いで「ソフトバンクグループ」（同18兆5,130億円）が２位、「本田技研工業」（同７兆7,210億円）が３位となり、以下「日本電信電話」（同７兆6,243億円）、「日産自動車」（同７兆4,802億円）、「オリックス」（同７兆419億円）、「ソフトバンク」（同５兆6,926億円）と続きました。