宮沢賢治は、『妙法蓮華経』のお経本を1,000部出版し、知己の方々に贈ることを遺言しました。
その奥書きには、「私の全生涯の仕事は 此経をあなたの御手許に届け そして其中にある佛意に触れて あなたが無上道に入られん事を御願ひするの外ありません」と記されています。
『妙法蓮華経』如来寿量品第十六には、「毎自作是念 以我令衆生 得入無上道 即成就佛身」とあります。このお経文は、「私はいつも、人々が慈しみの心で身を修め、皆が仏の身となってこの上ない覚りの道を得ることを願っています」という、お釈迦さまのメッセージです。
慈しみのお経「メッタ・スッタ」
一切の生きとし生けるものは 幸福であれ 安穏であれ 安楽であれ
何びとも他人を欺いてはならない
たといどこにあっても 他人を軽んじてはならない
互いに他人に苦痛を与えることを 望んではならない
この慈しみの心づかいを しっかりとたもて
(ブッダのことば)
銀河鉄道の夜の中で多くの人は途中の天国という駅で降りたが、妹トシと一緒に賢治は旅をつづけた。 六道輪廻からの解脱。
妙法蓮華経はお伽話のようなところがあり、よほどの智者でないと、理解できない。
栄西さんの所の、白隠禅師は妙法蓮華経をバカにしていたが、こおろぎが、鳴く声に、妙法蓮華経に目覚め、涙されたと伝えられ法華和賛を書きあらわしています。道元禅師も、死ぬ前にお釈迦さまは此処のおられたと、自室に妙法蓮華庵と張り紙をされたそうです。
賢治はお父さんの影響で浄土真宗の影響があったからこそ、お経のなかで、最上経と言われる、妙法蓮華経に素直に強烈に入ることができたのでしょう。
命に合掌
