法華経に「常不軽菩薩品(じょうふきょうぼさつほん)」というのがある。
一人の僧侶がいて、この人は会う人ごとに礼拝し讃嘆して
「私は深くあなたたちを敬って、軽んじたりしません。なんとなれば、あなたちはみんな菩薩の修行を行って、ついにはみほとけとなられるからです。」と言った。そのためこの僧侶は「常不軽菩薩」と言われた。
会う人の中には、怒って「この無智の坊主め、どこから来て、吾は汝を軽しめずと言って、まさに仏になるなどと言うのだ。」と罵り、はては杖でたたき、石を投げて追い払った。それでも常不軽菩薩は避けて走って遠くからなお「我あえてなんだちを軽しめず、なんだち皆まさに作佛すべし」と唱えたという。
日蓮聖人はこの常不軽菩薩品を非常に大切に受け止めています。
一代の肝心は法華経、法華経の修行の肝心は不軽品にて候なり。不軽菩薩の人を敬いしはいかなる事ぞ。教主釈尊の出世の本懐(ほんかい)は人の振舞(ふるまい)にて候けるぞ。
当然宮沢賢治にも影響を与えた。
「ミンナニ
デクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフ
モノニ
ワタシハ
ナリタイ」
命に合掌
