婆の家に戻りたいという執念で、病院から施設への道は途絶えた。 

 孫の中に、あんなに熱心に信仰していたのに何であのような姿になるの? と疑問の声があったが、信仰をしようと、しまいと、老死は誰にも平等免れない。 

 大難が小難に小難は無難という事だと思う。      落ち着いている婆との生活がいつまでも続くか、 わからないが、コロナでデイを自粛しても、今のところ、在宅介護は苦にはなっていない。 

 

婆のお陰で、買い物も少しだけ私は覚えた。 婆の介助の負担が軽くなるように 移乗介護器具を作った。 この器具が将来世の中に出て、多くの人の幸せにつながれば、 ピンピンコロリでなく、要介護の情けない姿や認知症の姿こそ意味もでてくる。   婆がいなければ、介護器具は、考えもしなかった。 婆は最高のモデルさん。 ♪