婆が元気な時はお米を研いだり、近くに買い物に行ってくれて、妻の家事の補佐をしてくれた。
失うものが、多いと寂しいという話をしたが、人は自立できないと、多くの事が、制限される。 お米を研ぐのも
茶碗を洗うのも、台所に立てなければ、難しい。 何か手伝おうと、するのはわかるが、かえって仕事を増やしてしまい
妻に叱られることが多くなる。 仕事を ” やらなくてよい” といわれるのは、言われた人にとっては、辛いこと。
自分は必要とされていないと感じるかもしれない。
今まで普通にできたことが、できなくなる。 失うもの の最高は自立かもしれない。
社会にも当てはめることができるかもしれない。
他の人にお店に来ていただき、美味しい食を楽しんで欲しいと、思って自立していた、店主が ” やらなくてよい” と
いわれる昨今、 辛く苦しいと思われる。 コロナの流行のあおりで、今まで自立できていた店が苦境に立たされる、
一本では立っていられない、人という字は一本に支えがあって、自立している。 苦境に立っている人に、誰もがそっと背中を支えてあげられる社会を望む。
婆の一本の杖として互いに支え合うのは幸せなこと。
