ドラマは,最終章に入る。
タッキー演じる裕介は実は光男で,家族を殺した男が父だと明白
になった。本当は無実なのだが,死刑囚となっている父は,再審請求に応じず,一人すべてを抱えたまま,甘んじて執行を受け入れる。
殺された赤ん坊の裕介をどこに埋めたか語らない。
最後に自分から裕介に面会を希望し,立派に成長した裕介に満足
して別れを告げる。
あと数日で死刑執行になるところ,裕介はそれを止めようとして奔走
する。どうなるのかは,最終回へ。
裕介は,犯人と思われていた男の子供。光男を裕介として育てて
もらおうと父は考え,光男を犯行現場に残す。はじめは甥だと思い
引き取る伯母夫婦。しかし,途中で甥ではないと気づく。
にもかかわらず秘密にし,愛情いっぱいに育てる伯母夫婦。
確かに,子供に罪はない。
死刑執行が近づく実の父に対し,息子の弁護士タッキーは,
どういう感情を持っているのだろうか。叔父が父であり,伯母が母
であるという感覚で30年生きてきたところへ,父が出現するのから,
かなり複雑だ。しかも,もうすぐこの世を去るという状況だ。
救いは父が人殺しではなかったことがわかったこと。
また,実の母も誰かがわかる。実の母は子育てに真剣になれない
うわついた女で,周りに迷惑をかける。ガンに侵され死期が迫る。
父親違いの妹も現れる。なんと彼女の父が真犯人なのである。
秘密があばかれないよう,裕介=光男の父は,すべてを背負って
死刑を受け入れようとする。
単純に実の両親を「お母さん」「お父さん」と呼ぶ気にはなれない
だろう。裕介にとって父母は伯母夫婦なのだから。今まで幸せに
暮らしてきた伯母一家に起こる数々の出来事。家族の絆はどこに
あるのか。自分の出生の秘密があばかれた時の驚きと,複雑な
心情。そもそも自分は誰なのか。今まで信じてきたものが一気に
崩れた時,主人公は,どこに自分の心の置き所を見つけていくのか。
最終回は,そういうところを注目して見たいと思う。