こんにちは!

最年少松戸市議会議員の広瀬ゆうとです。

 

早速ですが、今月24日から26日(本日)まで臨時議会が開催されていました。

そのご報告をさせていただきます。

主な議案は、『財産の取得』。結果は賛成13・反対30で否決となりました。

 

詳細のご説明

今回の議案では国有財産を30億2000万円で「市役所用地として」購入するとの議案でした。

緑色の部分

【令和4年6月】公共施設再編検討特別委員会(6月28日)資料より引用

地図で示すと赤枠のあたりです。主に旧法務局跡地になります。

 

簡単にご説明しますと、市役所を建てるためにこの国有財産を購入するということです。

老朽化した市役所本庁舎をどこに建て替えるか。約8年、長い間議論が続いていました。

私は昨年の改選での初当選ですから、議会と市の議論の経過はわからない部分も非常に多く、そんな中でも丁寧にご説明いただいた市職員の皆様には多大なる感謝を申し上げたいと思います。

 

その上で今回、この議案に対して個人的にも会派としても反対の立場をとらせていただきました。

大前提として、老朽化した市庁舎の早期建て替えが急務であることと、この旧法務局跡地をまちづくり用地(公共施設など)として購入することには賛成であります。

しかし今回は、市役所用地限定での提案であったことが大きな問題でした。

 

本日、本会議での討論では、本当に多くの反対意見が出ていました。

所属会派からも代表して深山議員に反対の理由を述べていただきました。

(数日後にそれぞれの討論の様子が松戸市議会中継にて公開されます。)

 

それら反対意見の多くが反対を決断する参考になりましたが、その中でも特に大きな理由を二つ述べさせていただきます。

一つ目は、「あまりにも敷地面積が狭すぎる」ということです。

現庁舎の事業地面積は15158㎡・現庁舎敷地内の建物(本館・新館・別館・議会棟)の延床面積合計は23204㎡に対し、今回の用地は事業地面積8745㎡と約半分・建築予定の本庁舎計画は延床面積約37000㎡・加えて延床面積5675㎡の立体駐車場も建築すると示されました。(市役所機能再編整備基本構想より)

さらに委員会質疑の中で、崖部分を除いた建築可能な平坦地積は5230㎡ということがわかりました。

実際には現庁舎の約3分の1の敷地しかないのです。

 

これだけの狭い敷地でも本庁舎・立体駐車場を問題なく建てられるのか、さらに言えば完成後、交通渋滞が予測される中で児童生徒の通学路となっている周辺地域の安全を守ることができるのか、これらの懸念点が払拭されるほどの市からの説明があれば、判断の余地もあったかもしれませんが、残念ながら納得できるだけの説明には至りませんでした。

 

二つ目は、今回の財産取得は2分の1の賛成で可決となりますが、市役所住所移転には3分の2の賛成が必要ということです。

つまり、仮に国有財産を購入し、新庁舎の基本計画や基本設計・実施設計に莫大な費用と時間を要しても市役所移転を議会の3分の2以上に賛同してもらえなければ全て水の泡になってしまうということです。

今回市役所用地としての購入に賛成した公明党10名と無所属議員3名、そして仮に市民クラブ13名が賛成したとしても、3分の2には届かず、時間だけが過ぎてしまいます。

他の会派からも、委員会などで「市と議会との市役所移転は全く合意形成されていない」等の発言が多々あり、ここを飛び越えて今回の財産取得に賛同することは非常にリスクが高いと感じました。(住所移転の3分の2の議決を取り賛同を得てから財産取得をすればこのリスクは消える)手続き上の問題点です。

少々、市民の皆様には見えづらい部分ではありますがこのような判断基準もあったことを申し添えておきます。

 

まだまだ書ききれないほどの判断基準や反対理由がありますが、これらの理由から私としては反対の立場を表明いたしました。

 

市役所機能再編整備基本構想には現地建て替え案も掲示されています。

もちろん、現地建替にも莫大な労力が必要でありますし、現地建て替えがベストであるとは言い切れませんが、建て替えが急務ということが共通認識な中で今回候補地の市役所用地としての購入が否決されたわけでありますので、現地建て替え案を実現に向けて進めていただきたいと思います。

 

最後に、まだ議員経験半年ほどの新米議員ではございますが、市長をはじめ執行部の皆様、市職員の皆様におかれましては長らく続いているこの問題に対して多大なるご努力があったと、皆様との議論を通じ容易に想像することができました。心からの敬意を表します。

一方、長らく続いている議論の重要な道筋を決める局面での初当選ではございますが、それでも、賛成反対問わず、票を投じてくださった皆様にきちんと説明責任を果たしていかなければいけないと重く受け止めています。

議員経験が短いからこそ、市民感覚に近いですし、極力フレッシュな目線で判断していこうと心がけていました。

その上で、会派の先輩方からたくさんのご教授をいただきながら議論に議論を重ね、今回は反対という立場をとったことをお伝えしておきます。

 

長い文章で大変恐縮でございました。以上、臨時議会のご報告とさせていただきます!

ありがとうございました。