高校の友達と土日で伊豆大島へ行ってきた。
毎年行っているダイビングの会。

ダイビングの元は高校生の頃、
僕が海水魚の飼育をしていたこと。
単純に小さな頃からの趣味だった。

釣った魚や、網で捕まえた魚、エビやウナギや色んなものを飼ってきた。

珍しい魚を捕まえればすぐに家に持って帰った。
イシダイを飼っていた時期もあった。
メバルも可愛かったな。

でもそれは自分だけの好きなことだし、高校に入ってからは周りに話していなかった。

バスケでヘトヘト疲れる毎日で、休みの日にはバイトもしていた。

朝は遅刻しまくりだったけど、友達と馬鹿騒ぎしてはまたバスケ、行事、バスケ、、。
そんな高校生活だった。魚の話など誰かにする暇もなかった。

しかしある日、同学年にはもう1人隠れさかなクンがいることが判明する。

湘南台のとある熱帯魚ショップを介して、彼と出会った。

店員さんから、君と同じ高校の子がよく来るよ、と。

彼はもともと目立つタイプで、話したこともあったけど、熱帯魚屋で出会い直すなんて奇跡だと思って、すこしドキドキさえした。

耳をすませば、的な夏と重ねてみてほしい。
本当にあんな感じ。
相手はガタイ良すぎるし男だけど。
第一おれは雫でもないけど。


一気に彼への見る目が変わり、そこからはすぐ仲良くなった。
いつも笑わせてくれ、大事なとき真面目で、尊敬する友達のひとりとなった。

後に彼はラグビー部主将、クラスの代表にもなり、となりのクラスの代表だった僕は、彼と濃い高校生活を歩んだ。
ほんと、バカだったなぁ。お互い。

彼は今、テラフォーマーズという漫画を描いている人気作家だ。もうなかなか会うこともできていない。
彼は自分の家のことを、テラフォハウスと僕に向かって言う。
家には中庭があって、素敵な奥さんと素敵な水槽が待っている。


18、9歳の頃、ダイビングのライセンスを取ろうと彼と話していたのが始まりで、そこに友達2人が加わり、4人でライセンスを取得した。

そこから、参加できない年も沢山あったけど、なんとかつづき、メンバーも増えたり減ったりで、今年は伊豆大島。

今でも魚を観るのが好きだ。
海の中から太陽を見ること、中性浮力で浮かぶこと、
なんども飼育に失敗した魚が自然のままで元気にたくさん泳いでいること。

陸でしか生きられない人間にとって、こんなにも世界が広がる体験はないと思う。

それか月に行くか、かな。
でも月に魚はいなそうだな。


今回は、時間がなさすぎて潜れないということが直前で判明した。

魚は未だに大好きで、水辺を見るたび魚を探してしまう僕だけど、今回はあまり残念に思わなかった。


もうたぶん、天才が集まりすぎていたあの高校の友達達に会えるだけで、十分なんだと思う。

みんな結婚して、家とかも買って、仕事もすごいことしてて、
子どものままでいるのは自分だけだと気付いて悲しくなる瞬間もあるけど、それよりみんなが楽しそうで嬉しかった。

もしかしたらじぶんが歩んでいた人生を友達が送ってくれている。

羨ましくも思う。

あのとき芸大に行かずに就職を選んでいたら、きっともう子どももいるし、お金もたくさん稼いでいるんだろう。
デザイン家具とか買って、macbookを持ち歩いて、そこそこのクリエイティブなことをしていただろうか。

そんなことを少し考えてみては、
あり得ないその世界線と縁を切る。
自分はこれで良かったと、思える自分もいるから。


高校の友達には勝てる気がしない。
いまでもずっと、彼らを尊敬している。
そのコミュニケーション能力や、リーダーシップに匹敵する人に、早稲田では数人しか出会わなかった。(芸大にはその種類の人はいない...他でちゃんとすごい)

みんなはすこし外れている半田を褒めてくれるけど、俺はみんながいなければこの仕事をしていない。
あの選択を誰も否定しなかった。

俺らお互い厳しい道を行くけど頑張ろうなって言ってくれた未来のテラフォハウス。

高校の先生にプログラマー、証券マンに保険マン


彼らのために、
彼らがいつか誇れるように
誰よりもクリエイティブでいたいと思った大島でした。




間隔空いてしまって悔しいけど、
毎日更新、頑張ります。