2023大阪の旅35
通天閣~新世界市場
1/6(金)
動物園側から公園を出ると、通天閣はもう近い。間もなく背景に通天閣が聳える景色となったが、ここの盛り上がるような看板が凄い!コテコテの大阪、という表現があるが、まさにそんな感じ、東京のそれとは、やっぱり感覚が一息違う。
通天閣の見える通り
今、そんな風に生きる人がいるかどうかは別として、宵越しの金は持たねえ、というような、江戸っ子の粋が、まだ東京のどこかに生きているのじゃないか、という仮説を提示しよう。それはすっぱり、さっぱりしたものをよしとする風潮、すでに地方出身者が大勢を占める東京でそんなこと、といわれるかも知れないが、この濃厚な景色を目の当たりにすると、そんな理屈をどうしても持ち出したくなってしまう。思考の回路は、おそらく言葉によって支配されていると思うオレは、東京言葉と大阪弁の中に、その違いの謎を解く鍵が潜む、と睨んではいるのだが、そこから結論を導き出せるほどの知恵はない。
通天閣そばの商店街。「コテコテ」の感じ
さて、章湖はここで名物とされる串揚げを食べていきたいようだった。実際、串カツの看板を出す店はいくつもあり、だったらどこかへ入ろうと言えばいいようなものだが、何となく通天閣をくぐってしまった。
その先に行くと、それまでカラーだったのが突然モノクロになった、というと大げさに聞こえるかも知れないが、打って変わって、急に地味な商店街が続いている。その中に小倉屋という小さな昆布の店が目にとまった。おばあさんとその息子さんが店番をする、この店に何となく入ると、試食もあります、と出してきたのが「子持ちキクラゲ」という、よく考えてみると、あり得ない組み合わせの佃煮。しかし、これが旨かった。値段も安いので、お土産に丁度よさそう、といくつか買うことにした。別にそこまでしなくてもよかったのだが、おばあさんは一つずつ包んでくれた。
「小倉屋」店内
この先の、斜めに入る路地に「新世界市場」と看板が掛かっている。これがまたレトロな匂いが充満するアーケード街、思わず歩いてみたくなった。
「新世界市場」入り口にて
とば口にあるのが肉屋さん、「通天閣コロッケ」の幟が立っている。そこで早速コロッケ1個注文。¥80はまあ、値段として標準だろうが、揚げたてのコロッケはやはり旨い。
浪速流のシャレか
コロッケにかぶりつくの図
このアーケード街をぶらぶら歩いて行くと、ここは最近よく使われる、「昭和」の雰囲気が満載、それぞれの商店前に掲げられたポスターがまたいい。誰が作ったのだろうと思わせる、クスッと笑いを誘うキャッチコピー、これはただ者の仕業ではない。
「新世界市場」。ああ、日本はアジアなんだなあ、という感慨、ないしは自分の原風景に触れたような・・・
ポスターに登場するのはその店主たちだろうが、見事に全員じいさんばあさん。通天閣周辺の、これでもかと言わんばかりの観光商店街とは全く違う、温かい雰囲気。シャッター率が高いのが気にはなるが、おつまみ¥100などという居酒屋もある。後から考えると、ろくに予定なんてなかったのだから、こんなところで一杯引っかけてもよかったのに。とはいえ、まだ店は閉まっていた。
これは必見!
2023大阪の旅36 今宮戎神社につづく