2015春の琵琶湖28
石山寺
4/6(月)②
さて名刹石山寺である。岩蔵寺からさらに車で30分ほど、ナビの案内でまた細い路地に誘い込まれ、でかい車なのに参ったな、といささか困惑。設定が路地を選ぶようになっているのだろうか。結局、寺の門前から大通りに出て、600円払って駐車場に車を入れる。十数年前に一度訪れたことがあるはずだが、時を経るに従って薄れていくという記憶の仕組みはありがたいもので、新鮮な気持ちで拝観することが出来た。
風格ある山門を入ると参道沿いにある色とりどりの桜がまず目にはいる。いやー美しい。駐車料金に加え拝観料も600円取られるが、これなら損した気はしない。
名刹石山寺
花の多い寺である
石段を登っていくと正面に黒い岩が奇怪な形に盛り上がり、この岩の奥の正面、小高いところに聳える多宝塔が見えてくる。いやはや計算し尽くされた景観。実に絵になる景色である。黒い岩は「石山」の名の由来となったというもので、普通大理石状の模様になる、と解説があったが、よく見ると、確かに先端部分などがいわゆる大理石になっているところもある。これを左に折れ、階段をさらに上ると本堂、ここに、紫式部が源氏物語を執筆した、と伝えられるという部屋がある。本当だろうか。
石山寺の名のもとになった岩
多宝塔は優美な姿
寺域は広大、山あり谷ありの地形で、梅林こそ既に花は終わっていたが、今は幾種類もある桜に加えてツツジが咲き誇り、時折落ちてくる雨も何のそのといった美しさ。バスの団体で来ている客の中には傘を持たぬ人もいて、降ってきてあわてるところにも遭遇したが、幸いひどく濡れてしまうほどの降り方ではなかった。
境内はどこも絵になる
山の斜面に石楠花やボタン、紫陽花などが植えられ、四季のどの時期に来ても楽しめるように、との配慮からだろうが、この寺ほどになれば、訪れる観光客も多いのだろうし、財力もあるのだろう。境内を隈なく回ろうとすると、アップダウンが多く、健脚でないと苦労する場面もありそうだ。
花二題
ここのご本尊様も、昨日寄った醒ヶ井の松尾寺と同じように、本堂が火災にあった時に自ら跳んで避難した、という伝承があるようだ。本堂から道を隔てた小高いところに、そんな解説があった。
五十三歩で読む源氏物語、という企画を出口近くの建物で開催していたが、すっかり読んで回ると小一時間はかかりそうで、一旦足を踏み入れたものの、割愛。
紫式部が源氏物語を執筆したのはここでのことという
寺を出て、駐車場に向かう途中にあるおみやげ屋さんを覗いてみた。月並みなものしかないが、これは何だろうと思った「赤ちゃん番茶」、炊き込みご飯の素などを購入。食堂もここに何軒かあったが、場所柄観光客相手の店ばかり、よしておこうと車を走らせた。
2015春の琵琶湖29 井筒八ツ橋本舗につづく