2015春の琵琶湖5 佐和山城の麓 | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

2015春の琵琶湖5
佐和山城の麓

4/2(木)⑤
 まだ暗くなるまで時間はあるが、入浴できる施設を確認しておきたい。ナビで「かんぽ」を検索すると、「かんぽの宿彦根」がごく近くの琵琶湖畔にヒット。まずは行って確認すると、日帰り入浴5時までなら620円、それ以降は高くなるというが、今日の晴天が貴重と考える我々は、宿泊客の食事の時間帯を狙うことにする。


かんぽの宿彦根(現在は亀の井ホテル彦根)


 まずは佐和山城の麓にあるという名刹、龍潭寺へ。庭園の拝観は5時まで、あと数分の残りはあるが、今の季節、桜以外はほとんど冬枯れと大差ない状況なので、いい頃合いにまた、と考える。木立の中の、苔むした感じがとてもいい寺だ。張り紙があり、今日「だるままつり」をやっていたらしい。どんな祭りだったろう。



龍潭寺。苔むした庭園がいい

 

 帰りがけ、入口近くにある石田三成の胸像前には、TVのクルーがなにやら取材に来ていた。あるいは三成がこれからブレイクするのだろうか。

 お隣は井伊神社、枝を茂らせた杉の木が凄い姿になっている。社殿は繊細を極めた彫刻に彩色が残っている状態で、これを保護するためか、まるで修復工事中といった外観で覆いがかけられている。しかしこうなってしまうと、景色としては、はなはだ面白くない。

 

井伊神社は本殿が鞘堂のようなものに覆われていて、景色としては面白くない

 

内部が公開された時という。中はこういうことらしい(滋賀彦根新聞HPより転載)

 

 境内にはしだれ桜の大木があるが、これはまた見事なもの、首都圏近郊にでもあれば、必ず話題になっているに違いない。


見事なしだれ桜!

 奥へ続く山の入口に大洞弁財天の看板がある。この先どれくらい行くのか分からないが、ここまで来たついで、ということで車に乗り込む。ものの2,3分で着いたが、登り坂が急なので歩いてとなれば結構大変。こんな山の奥に寺があるのか、と思ったくらいだ。駐車場について、かけられた階段を上ると、お堂がいくつも建ち並ぶ、立派な寺が姿を現す。


大洞弁財天境内

 弁財天堂は重要文化財に指定された、これまた見事な建物で、中に入って拝観もできる。黒光りした柱や床、どことなく密教っぽい雰囲気のあるお堂で、彫刻が緻密、ほとんど知られていない(我々が知らないだけか?)場所にある割に凄いなあ、と感嘆しきり。

 

弁財天堂内部は見事!一見の価値あり

 

 住職が丁度賽銭を回収に来たところだったが、素晴らしいですね、などとこちらが声がけしているのに、反応はイマイチで会話が弾まない。この対応に、お賽銭を入れようと思ったが止めた、とは章子の弁。もうちょっと何かしゃべってくれないとな。住職が引き出した賽銭は、ぱっと見たところ千円札が二,三枚にあとは小銭、多く見積もっても五千円には達しない感じだった。
 

弁財天堂外観。住職が賽銭を集めて扉を閉じたところ


 山門の仁王は鎧甲の装束、こういうところで座像は珍しい。



山門の仁王は鎧甲の装束、座像は珍しい

 山門からは正面に彦根城が遠望できる。彦根城は佐和山城を一掃するために建てられたはずだから、ここを見渡せる立地を選んだのだろう。

 

境内からは彦根城が遠望できる


 降りていくと、さっきのテレビ撮影の人たちがチャーターしたのか、タクシーが停まっていたが、これが「三成タクシー」というもので、車体横に今風なアニメの主人公のような三成が描かれている。やっぱり石田三成、このあたりでの人気を窺わせる。


三成タクシー!!

 風呂に向かう途中のスーパーで夕食の買い物。スーパーの中に和牛の専門店があった。デパ地下ならまだしも、普通のスーパーでこれは珍しい。しかし我々は一般の売り場で安くなっている切り落としの肉を買うにとどまった。

 かんぽの宿の温泉は空いていた。時刻は6時半、皆さん夕食の最中だろう。地下1500メートルからのお湯、と宣伝があったがやや熱め、気持ちの良い温泉だった。

 琵琶湖づたいに北上、湖岸道路から南浜の交差点を左に折れ、念願のテン場までは20分とちょっと。風が強く、設営の途中にテントがとばされないように気を遣った。昔行った石狩川下流のテン場で、夜の間に食器が風に吹き飛ばされてなくなっていたのを思い出す。といって、あの時ほどの強風ではないが、これからの天候悪化を予言されているようで、恨めしい。


この日の琵琶湖。風が強かった

 持ってきた飲みかけのワインとともに食事。今晩のメニューは餃子と焼き肉だが、テントは最近、スノーピークのアメニティドームSを使い始めた。これは前室が広く、天候が悪くても(この日は風だったが)調理がしやすいので、快適。今回は昨年秋の奥鬼怒湯沢での教訓から、ヘッドランプを強力なものにしたが、これもまた優れもの。我が家の野営装備も充実度を増した。


テントで夕食の図

 疲れが出たのか、割と早く眠気が差し、就寝は9時半前後か。夜中、木立に吹き付ける風の音は恐ろしいうなり声を上げ、何時までも耳に残った。



2015春の琵琶湖6 青岸寺につづく