2018夏新潟~山形45 寒河江のテン場 | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

2018夏の旅 新潟北部~山形中西部(8/9~18)その45
寒河江のテン場
     
8/17(金)④
 寒河江の街を通り抜け、最上川のほとりにでもテン場が取れないか探ることにした。山形道の寒河江SA近くに大きな公園があるが、ここは見覚えがあった。6~7年前のことになると思うが、野球部の合宿で山形に来たときのことだ。そう言っちゃ身も蓋もないが、なんちゃって顧問の俺は、暇だったのでバスに積んでいった折りたたみ自転車を降ろし、最上川を見に行ったのだった。

 

 この時は、途中に支流で釣りでも出来るところはないかという興味もあったのだが、そううまいところも見つからず、小一時間ほど走った挙げ句、最上川に当たったという次第。今調べてみたら、県道458号づたいに北上したようだ。出発点は、蔵王から流れ出る須川の畔、山本学園グラウンドだっただろう。最上川に架かる橋からは、結構大きな鮎が群れている様が見えた。その時に寒河江SAから続く公園まで行ったのだ。


 そんなわけで、すでに大方確認してあったが、「最上川総合公園」と名の付いたここは、整備が行き届きすぎていて、テン場にする余地はない。しかし、今回の道中、温泉はいくつもあったから、風呂を見つけるのに苦労はいらないようだ。

 

 

 さて、どうしたものかと、車を走らせていると、「グリバーさがえ」の看板が最上川のほとりに出ている。何だろうと思い入っていくと、ここは最上川から水を引き入れて造ったボートの練習場だった。周辺は公園になっているようだったが、どうも、テン場として良さそうなところが見つからない。そうこうしているうち、対岸の河川敷が公園になっている様子が見えた。遠くの方がよく見えるというのは、何もこういう場合に限らないが、ともかく行ってみることにした。

 

 

 こちらは多目的運動公園という感じで、相当の広さがある。何やら足場用の鉄パイプで構造物を組んでいるところがあり、想像するに、山形名物「芋煮会」の準備だろうか。ここはいけそうと踏んで、なるべく人の来なそうなところを選び、これでよしとした。ここには「中山運動公園」の看板が立てられていた。


 買い出しついでに街中に戻り、寒河江八幡神社に行ってみた。うっかり鳥居を通り過ぎてしまったが、「法務局」と表示された建物脇の駐車場が空いていた。車を停めると、目の前がもう社叢だ。社はそう大きなものではないが、破風が二重にせり出し、なかなか凝った造りの重厚な社殿。脇へと続く回廊の屋根が、アーチ状に膨らんでいるところがデザイン的に面白い。もう7時に近く、本殿の扉は既に閉じられているから、明日の朝にでもまた来ようと、お参りもせずにここを後にした。

 

                            街中にある「寒河江八幡宮」

 

 ナビ上には、寒河江駅の近くに温泉が表示される。ここを目的地に車を路地へ入れ、そろそろと走らせて辺りをうかがうが、どうもそれらしきところが見当たらない。全くの街中の、線路脇でもある。あれか、と思ったのが大谷石を外壁に使った倉庫のような建物、これが二棟並んでいるが、ライトアップされ、外観はきわめてお洒落に演出されている。

 

                     はじめは温泉か、と思ったここは、アパレルの企業


 ふと見ると、すぐ近くに「寒河江温泉第1号源泉」の看板が立っている。なんだ、そういうことだったか。


 お洒落な建物は、「佐藤繊維」というアパレルを中心としたメーカーの店舗だった。すでに閉店間際だったが、店に入りざっと商品を見渡した。服飾製品は別棟だというが、こちらはニット編みのインテリア小物や雑貨が並び、奥にはカフェもある。

 

 店員の女の子は、ゆったりとした印象の服装に身を包んでいる。ここの製品だろうか。地元の出身というので、いろいろ聞いてみたが、「河北の肉そば」を食べに行くのなら「といや」がいい、と教えてくれた。河北名物というと「肉そば」が有名だが、「カツ丼」も他にはない味だとか。


 明日また来るね、と言い置いてここを後にした。


 きっと元は、ここと隣も工場として稼働していたか、あるいは倉庫だったのかも知れないが、生産が縮小して空いた施設を店舗に改造したのだろう。いずれにしろ、企業の歴史を感じさせる資産なわけで、これを有効活用した手腕は評価に値する。


 風呂は、テン場探しの途中に見つけておいた、「寒河江市市民浴場」、¥200と安い。

 

 

 テン場は最上川河川敷にある中山公園の片隅、思ったとおり誰も来ないところで快適だった。



                    テン場では、夜になると、もう長袖を着ないと肌寒い


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