2008山陰5 鳥取砂丘夕景  | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

2008山陰5

鳥取砂丘夕景

 

8/11(月)つづき
 智頭を後にし、途中、テン場を物色しながら帰途につく。いや、「帰る」あてなどあるはずもなく、単にもう一度、夕陽に染まる砂丘を見に行こうという思惑だ。途中、鳥取の市街地を抜けるが、この時刻、街中は通勤の車で混みはじめていた。テン場は、市内を流れる千代川の河川敷を確認に行き、ここは使えるな、と踏んでいた。


 砂丘の向こうの海に沈む夕日を見たいと思い、まずはビジターセンター側の展望台に上ってみた。さっきも書いたが、広大な砂漠を思い浮かべてここに来るのは、多分間違い。展望台に上ったせいもあろうが、日本一の砂丘とはいいながら、まあこんなものか、とあらためて思わされる。日没までにはまだ少し時間があった。


 もうこれでいいや、と思わないでもなかったが、念のため、西側にある「こどもの国」の方に回ってみると、すでにガラ空きの無料駐車場が現れ、さっと停めることができた。観光の中心は展望台のある東側で、こちら側にはお店もほとんど見当たらない。


 誰もいない砂丘となると、せっかくだから歩いてみるか、という気になった。もう、裸足でもへいちゃら、サンダルを履いているよりずっと気持ちがいい。しばらく歩いて砂丘を中程まで行くと、水平線に陽が沈まんとする、絶妙なタイミングが訪れた!

 

                    鳥取砂丘に沈む夕陽


 鳥取市は山陰一の都会とはいうものの、どことなく街に暗さが漂う。ちょっと近くの商店街を歩いてみただけだが、首都圏のそれと比べるのは酷というものだ。しかしこの街を歩いていると、どういうわけかたびたび外国人に行きあう。街の印象を問われて、まず頭に浮かぶのはこのことだろう。


 この街に、有名な万年筆店があることは、どこかで聞いて知っていた。職業柄、万年筆はかなり高額のものを含め、ドイツ、イタリアの製品を4本ばかり所有している。一時期、夢中になって使ってはみたものの、もう一つしっくりいかず、現在は主力として太字のゲルインクボールペンを使用している。しかし、文字表現を仕事としている自負はあり、本当に自分に合った、長く使う気になるものなら所有したい、という気持ちも、常にくすぶってはいるのだ。その店は注文しても2年くらいは待つことになるという話、一応、確認しに行ったような覚えがあるが、さて、それはこの時だったろうか。外から店内を覗いた程度の絵しか浮かばないが、それも極めてかすかな記憶に過ぎない。


  駅近くの「日乃丸温泉」(章子のメモには日の出湯と残っていたが、たぶん間違い)に入る。温泉場でもない街中に源泉掛け流しとは珍しいが、ここの湯は熱い!しかしながら入湯料¥350はありがたかった。

 

               日乃丸温泉(鳥取市観光サイトより転載)


 買い出しの後、さらにいいテン場がないだろうかと湖山池周辺を探ったが、結局、ここだというところは見つからず、さっきアタリをつけておいた千代川の河川敷へ向かう。章子のメモが残っている。「河川敷は気持ちいい風が吹いていて、なんだ、最初からここにすればよかったじゃん。今晩は牛たたき、何だかやけに肉がおいしい」。結構なことだ。

 

 

 

2008山陰6につづく