『ライオンのおやつ』小川 糸

表紙がいいですねニコニコ飛び出すハート
穏やかな水の上に漕ぎ出すような
お話なんだなぁ、と想像させます。

主人公は33歳の未婚女性、海野雫。
この明るく開けた土地に来たのは
死に向かう、最後の日々を
「ライオンの家」という名の
ホスピスで過ごすためです。

ライオンの家はホスピスだけれど
優雅な、隠れ家のような場所。
清潔な寝床キラキラ
滋養にあふれた食事鍋
よい距離で見守ってくれるスタッフおとめ座
それから
人生へのご褒美ともいえる「おやつ」ロールケーキ

今日を生きる喜びと
明日を生きるための「にんじん」が
用意されている家であり

QOL(生活の質)だけではなく
QOD(死に方の質)も考慮している場所。


こんな所で暮らしたいキラキラ
滋味深い食事と広い空。
それだけでも、なんと有り難いことでしょう。
これが限られた時間でなければ良いのに。
でも
残り時間が見えている命だから
この場所で過ごせるのです。


雫は、少しずつ体力を失って
やがて亡くなります。
寂しい。けれど、悲しくない。

ライオンとして過ごした
それまでの時間のおかげで、死は
単なる「終わり」ではなくなりました。

凪いだ水上にボートで
漕ぎ出すようなもの。
誰かに優しく見送られて
大事な人に出迎えられるもの。

「どんな生命もいつかは
カタチを離れて
本質だけになって
大本に還っていく」
という考え方に
慣れているか、いないかで
本書の感想は
少し違ってくるかと思います。

その本質を、魂というのか
何というのかは、わかりませんが
「命の芯」のようなもの🕯

生きることも死ぬことも
自分の思うようにはならないから

クレヨンしんちゃんが
引っ越す友達に言うセリフ
「忘れるまでは覚えてるぞ」みたいに

このカラダをもって生まれた今世を
死ぬまでは生きよう音符



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