在職老齢年金の矛盾 | 国家資格3(社労士、行政書士、社会福祉士)つをもて余している私の社会保障・労働問題考察

国家資格3(社労士、行政書士、社会福祉士)つをもて余している私の社会保障・労働問題考察

3つの国家試験合格者(登録をしていない)が語る社会保険や社会保障に関する考察,労働問題に加え、日々思うことを適当に語ります

 こんばんは、在職老齢年金、通称在老は、簡単に言えば、老齢年金が支給されている間に会社に勤め、給与が出ている場所に、老齢年金の額を調整、要するに減額なりをする制度です。
 受給中の方、これからの方皆さん気になる部分かと思います。その仕組みはさておき、この制度の根本的な所として、厚生年金に加入中の方が老齢年金を調整されることから、厚生年金の加入対象者でなければ、いくら稼ごうと調整されません。
 私の会社の例で言えば、いわゆる定年再雇用され月給約25万円で引き続きフルタイムで働いている社員は調整(減額)されています。他方、役員を退任し顧問(契約上は労働者)として月給約35万円で週に3日勤務している者は調整(減額)されていません。
 この違いは、厚生年金の加入対象者か否かです。 原則、厚生年金を含む社会保険は正社員を除けば、労働時間や日数に重きを置くので、やむを得ないと言えばそれまでなのですが、在職老齢年金の趣旨からすれば、何かスッキリとしないものはあります。もちろん、顧問になった者は努力をし築き上げたキャリアの結果ですが、まさに、富める者が更に富むとはこの事でしょう。

 ところで、この様な仕組みなのは、私見としてはシステム的な問題もあると考えています。年金を調整(減額)するには当然給与等の額を知り得る必要がありますが、保険者側として給与等を知り得るのは現に加入している者だけです。所得税なりの税金とリンクしている訳ではないようなので、加入している人のみ、そして加入者の要件は決まっているとなると、矛盾が発生するのは当然とも言えます。

 しかし、今後はマイナンバー制度により、保険者側が加入していない者の所得を把握することは可能だと思われるので、その是非はともかく在職老齢年金の制度もより強化されるかもしれません。