作品について https://www.allcinema.net/cinema/356113

↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。

 

・原作・監督:     西川美和

・幸夫: 本木雅弘  ~作家  妻が親友と事故死

・大宮: 竹原ピストル  ~幸夫の妻の親友の夫

 

妻が事故死したときに、自宅で不倫中だった幸夫は

同じく事故で妻(母)を亡くして、育児に困っていた大宮の

ヘルプを買ってでたー

 

不倫の気の咎めを、善行で代償して

救いを求めるかのようでしたが

そうとも言い切れず、身内の死に関して

思うところありました。

 

 

▼~▼内容にふれて雑談です。(ネタバレ!)

▼▼▼

 

1「子育ては免罪符」 by マネージャー(池松壮亮)

幸夫は、トラック運転手で留守がちの大宮の

子供の面倒を看てあげると

送り迎えや洗濯など、母親代わりになるのだが

そのことを、マネージャーに↑評される。

 

確かに、端的には

他人の子育て(善行)は

悪行(不倫)への罪滅ぼしだったと思う。

 

けれど、それだけでなく

身近な人の突然の死は、衝撃や喪失・悔恨・淋しさ…etc.

(たとえ、涙が出なくとも)

心に混乱を生じ、何かにつかまりたい衝動にかられるのではと。

それは、自分以外の人のために

何かしていないと、ダメだから……  (個人的にですが)

自分のこと(悲しみ)で、手いっぱいではあるけれど

自分のことしかしていないと

重苦しい(悲しみ)狭い世界に、押しつぶされそうになる……

 

幸夫が、大宮家と関わったのは、それもあるのかな……

“免罪符“だけでなく……..

 

 

2.変化

 

亡き妻の留守電メッセージを聞く大宮に対し

もう(忘れて)前に進めと言った幸夫だが

取材では亡き妻を 「忘れたくない」と言っていた。

 

(前後して、幸夫は、妻がもう自分を愛していないことを

スマホの下書きに見つけてしまい、取り乱す)

 

よそゆきに口に出したコメントと

心の奥底の本音に、ズレはあるかもしれないし

日々の状況の中で、気持ちも変化するものでもあるし。

 

ある女性が、大宮家の子供たちの面倒を

ヘルプしてくれそうな状況になったとき

その“変化”を、幸夫は受け入れられず

態度を、豹変させてしまった…( 一一)

 

自分も、ずっとヘルプできるわけではないのに

大宮家と自分との安定した関係に

“幸せ“を見出したから…?

(大宮(父)が、感じた幸せと同じものを??)

 

生きていることは、残酷だなと思う……

時間が止まらないから

絶えず何かが、変化する……

良かれと思うことが、良くなかったりもして……

自分も、自分の気持ちも振り回されたりして……

疲弊する…orz

 

愛していないと思っていたら

実は、(申し訳なさと一緒に)

愛のようなものが、残っていたーー?

と思ったら、今度は

愛の分だけ、怒りが生まれてしまったり

でも、本当のところ、もう確かめる術がなく

ただただ、気持ちが戸惑うばかりで………

それが愛なのか、認めたくない気持ちと

それでも、最後にここにあるものは、やっぱり

愛であって欲しい気持ちが、あるのかもしれなくて……

 

そうやって、心の中を、じっくり引っ掻き回すと

悲しみやら愛やらが (名前などつけなくていい)
押し寄せてきて、涙になって流れ出てくるのだと思う……………

 

~後略~

 

▼▼▼

 

そうこうして、幸夫は、妻の死に関する一件を

小説にした。

糊口的ネタにしたんだ(汗)と、責めはしない……

 

それが、彼なりの(彼らしい)区切りの付け方なんでしょ。

 

突然、亡くなった人に、確かめたいことがあった…

だから、心のつかえは、ずっとある……

声をあげて思い切り泣いたのは、葬儀のずっとあとだった。

そんなことを思い出しながらの鑑賞でした。

 

 

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