作品について  https://cinema.pia.co.jp/title/1857/

↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。

 

切なくも、寂しい気持ちになる、恋心。

カメラの望遠で、隣の女子高生:百合子が

ピアノを弾く横顔を、眺めるヒロキ。

 

女学生に恋するヒロキの日常は

親友たちと、じゃれあって、

停学になる悪戯までして、ドタバタと楽しい。

大きなお寺の息子:ヒロキには

それなりに、面倒なこともあるけれど

両親の元、幸せな毎日を過ごす。

 

そんな学生の恋などは、

苦しい、さびしいなどといっても

生活の一部でしかなく

ほんの一面でしかないことだった――

 

▼~▼内容にもふれて雑談です。(違うときスミマセン)

▼▼▼

 

誰かを好きーと思うとき

多分、その人の一部分から始まる。

それから、近づきたくて

自分を知ってほしくて

相手のことも、知りたくなる。

 

けれど、いつもつるんでる親友と

同じようなわけにはいかない。

 

その人が嫌いなわけではなくても

否、嫌いでなければよけいに

知ってほしくない

関わってほしくない、部分もある……

 

百合子は、自転車を直してくれたヒロキが

それをきっかけに、近しくなることを拒んだ。

 

↑ココ、絶妙でイイ……

 

若い時、勢いと情熱だけで

押し切ればなんとかなるーと思いがちですが

恋の都合は、自分の知らないところにある……

百合子は、病気の父親と暮らし

生活苦がうかがえ、

ピアノで見える側の顔だけを見てーとヒロキに言った。

 

↑ヒロキの好意や気持ちに応えたくても

応えられなそうな百合子が、切ないの……

(清楚で可憐な乙女は、寂しさが、マシマシになる…?)

 

面白いのは、道化姿の“さびしんぼう“☆

(富田靖子さんの二役☆)

母親の16歳の頃の写真から、出てきた。

彼女は、ヒロキを気に入って、たびたび出没。

どうも、母が、若き日の恋の続きをしているような…

 

けれど、その恋は、成就しなかったようで

“さびしんぼう“は、今回も

ヒロキと切ない別れをすることになった……

(好きな人の名前を、本当に息子につけたのだろうか…)

 

好きな人を心に秘めた母を、全部

受け入れて、結婚したと、父はヒロキに話した。

 

↑ソレが、大人(の恋)というものでしょうか。

その人が、誰とも、すれ違わずに

なんの思い出も残さずに、生きてきたはずはないので

まるっと、受け入れる覚悟がないとね……

 

そうして、時が過ぎ、ヒロキが住職になったあと

百合子と結婚したわけでは、なさそうですが

百合子に似た人が、妻となり

百合子の“向こう側の顔”を、見せていた。

(まるっと自分を見せたよう)

ついでに、娘も、百合子そっくり!

ピアノも弾いている!(^^)/

 

そもそも、母親の若い頃が、百合子そっくりですから

母いわく、男の子は、永遠に母親に恋してるー

という、壮大な恋の人生譚だったか……

 

 ▼▼▼

 

一部しか知らなくても

全部を知ったとしても

恋は、甘美なようで、いつでも、酸っぱいかもしれない…

 

 そこここで奏でられる、ショパンの『別れの曲』もだが

僕をさびしくさせる人―という冒頭から

キュンッと、切ない……

 

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