作品について http://cinema.pia.co.jp/title/182594/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。
・迅(シュン): 宮沢氷魚
・渚: 藤原季節
彼らは、ゲイのカップルでしたが
シュンが、大学を卒業するころ
プロファーサーをめざした渚のほうから、別れていった。
岐阜で、一人、自給自足と物々交換で生きていたシュンの元へ
8年ぶりに、渚が姿を現した。
渚は、幼い娘:そらを連れていて、離婚調停中だと言う。
戸惑いながらも、シュンは彼らを住まわせ
3人での生活が始まった――
愛する二人に、愛だけがあるときは、いいですが
ポスターにあるように
「好きだけではどうしようもない」のが、現実。
愛の作品には、現実を逃避してでも
甘美な幻想を、見たい私ではありますが (^^♪
彼らと、娘:そらちゃんと、そらちゃんのママとの
悩ましい実情と関係性について、親身に考えさせられた。
(↑ソレは、彼らがゲイカップルということでもなく
子供(そら)にとっての、よい環境について、考えてみることでもあって)
▼~▼内容にふれて.雑談です。(ネタバレ!)
▼▼▼
相手の“立場“も想いつつ
自分の生き方も考えた結果
“別れ“を選んでいった、渚。
喧嘩別れでない分、不消化な愛が
残り火のように、くすぶっていたであろう、シュン。
親しくなった人に、“本当の自分”について話し
関係が、壊れてしまうことを避けたシュンは
人と距離を置くように、田舎で、自給自足生活を始めた。
田舎は、田舎なりに、人との関係が
粘っこいところもありますが (汗)
この田舎は、村八分にする冷たさはなく
集会所での活動も、温かくてイイ☆
(シュンがカミングアウトしてからも)
そこへ、8年ぶりに再会した渚。
勝手に別れて、勝手に戻ってきたことに
戸惑いと憤りを感じるシュン。
(だが、怒りがあるのは、愛が残っているからで……(^^♪)
結婚して、子供を持った渚だが
男と浮気は、していたらしいのは
やはり、シュンへの未練だったようで……
子供を持てたことは喜びでも、複雑なのが、人の心ョ……
主夫の渚パパに、なついている娘そらは
シュンにも、すぐ慣れた。
渚は、離婚したら、3人で暮らそうと思うが
シュンは、そこまで割り切れない……
娘は、仕事ママより、主夫パパに、なついていたとしても
やはり、ママはママ。
離婚調停の事情を知らず
一時的に、ママと離れているだけだと、思っている……
娘は、パパに、ママと喧嘩したなら
謝って、仲直りしてほしいと言う。
そしてまた、パパとママと暮らしたいと思っている……
夫婦には、それぞれの言い分・事情があって
お互いイライラするのは、子供によくないから
別れてスッキリするほうが、子供のためだーと言う人もいます。
(But「別れるのは、結局、親の都合だよね」by 私の娘)
娘:そらが言うことには
パパとママと、シュンと、皆で仲良く暮らしたい――と。
それは、子供じみた単純な願望ではなく
娘なりの“折衷案“だったのかもしれない……
裁判での親権争いは、渚に、有利になっていたが
渚は、急遽、“譲歩“した。
それについて、娘には
「ママに謝ってママと仲直りした」と言った、渚。
そのあと、娘に隠れて
シュンの胸で、渚は、泣いた!
端的には、親権が妻になる哀しさかもしれないが
どうやっても、娘の望むような暮らしはできないという
無念と申し訳なさもあったかも……
渚は、男性の恋人からも愛され
女性とも結婚し、愛する子供も授かり
たくさんの幸せや可能性を手にしたけれど
それは、逆に、失うものも増えたということなのかも…
けれど、元彼にしても
娘にしても、消えてしまったわけでなく
心の傷を負いながらも、愛とともに存在はする……
ラストシーンは、“皆“が、娘:そらの自転車こぎを見守る。
応援されながらも、漕ぐのは、自分ひとりの力。
皆と仲良く、一緒に暮らしたいー
その夢は叶わなくても
憎んだり、否定し合うことなく
そらちゃんを愛し、見守れるなら、それでいいのかも……
▼▼▼
愛が、二人だけのものなら
それほど、悩まずに、済むのかもしれない……
関係が広がり、手にするものが多く
愛が、溢れてしまうと
どうしたらいいのか、苦しむ………
わが子を可愛がるパパ:渚が
私には、とても魅力的に映った作品でした。
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