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↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
 
原作:里見弴(さとみとん)
監督:小津安二郎
妻&母:田中絹代☆
 
「娘の恋愛結婚に反対していた父が
母の取り成しで、認めてくれる――」
 
↑と言うあらすじに、なるようなんですが
私は、冒頭の、他人の結婚式での、父のスピーチが
いや、“夫”のスピーチが、心にグサッと刺さってから
妻役の田中絹代さんの表情と存在が
ものすごく気になった作品となりました☆
 
▼~▼以下、内容にふれて雑感です。
 
▼▼▼
 

冒頭の他人の結婚式で
夫は、こんなスピーチをする。
「相思相愛のお二人は、真に羨ましい。
我々は、決められた結婚で、そんなもの(愛)などなかった云々」
 

恋愛と結婚は別だ、とか
愛がなくてもそれなりに、結婚は、やっていけるとか――もあるだろう。
 

夫婦とは、色恋で始まっても
段々と色褪せて、戦友のような絆でつながる関係になるもの――かもしれない。
 

ラブラブな新郎新婦を前に、古夫婦が、ノロケルことは無いけれど
我々夫婦は、始めから、ラブのない“殺伐夫婦“でしたーと
人前で言うとは……orz
 

妻役の田中絹代さんは、それで、色を失うわけではなく
妻の顔で、祝福の席に居るが、
女としては、胸中ただならなかったと、思ってしまう……
 
 
“愛なんて初めからなかったし、今も、きっと、自覚の中にはない”
と、夫は言っているのか?
 

妻は、夫が帰宅したら、出迎えて、着替えを手伝って、
食事を用意し、風呂をわかすー
娘も育てて、“幸せ“な家庭を守る母や妻の役目を
日々、担ってきたー
 

↑ソレでいい――と言われれば、そうなんですが(汗)
今更、愛とかラブなど、意識するもんじゃない?
ずっと愛されていたいなどと思うのは、私の“甘え”なんでしょうか……(_)!!
 

夫は、娘を想うあまり
自分のメガネにかなった男を選ぼうとして
娘に、恋人がいたことが赦せません。(>_<)
 

けれど、母の(妻の)静かな表情の中に
このとき、私は、“女の意地“を見たのです。(キッパリ☆)
 

娘には、相思相愛のラブラブ彼氏がいる。
夫は、人の結婚式で、そんな二人が羨ましいと言ったではないか!
私たちの結婚には、愛がなかったとまで、言ったではないか!
私たちにはなかったラブラブを、娘は身に浴びて結婚できるのが
夫の希望じゃなかったのか!??
 

「矛盾してるワッ!!」
妻は、ついに爆発する!
 

妻は夫に従順であるべきー―と思っていたかもしれない夫は
生意気だと言わんばかりに、妻の態度に憤慨するが
そんな夫の“矛盾“など
妻の、女の情念が言わせる恫喝の炎の前には、フッとかき消されますヮ
フッ
 
 
 
女の運命を懸けたような母の取り成しと
親友のひと芝居もあって、
娘は、恋愛結婚を父に認めてもらえる。
 

妻の顔が、母の安堵した表情になっているのが
印象に残る。
 

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ちなみに、彼岸花の花言葉は―
『情熱』『独立』『再会』『あきらめ』『転生』
『悲しい思い出』『思うはあなた一人』『また会う日を楽しみに』etc.
どれも、あてはまりそうな内容でした。^^;
 

愛がなくても、それなりの結婚生活ーなんて、私は、思いたくない。
『あきらめ』はイヤ。
『情熱』をいつまでも感じていたい。(照)
『思うはあなた一人』 ←最高でしょ☆(^_-)-