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↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
 
 
三人のやくざが、仲よく旅をするのではありません。
三話のオムニバスです。
 
股旅とか旅人(たびにん)と言った作品は、昨今、あまり見かけません。
やくざ、と言っていますが、彼らは博徒。
 
そこに、住むことが出来ない理由があって、流浪し、博打で生計を立てている。
芝居でみる彼らは、流れ者どうしの“義理・人情“を守っていて
カタギの人にも、彼らが守るべき道を、一本通してみせてくれます。
そこが、魅力なんでございます。
 
 
“義理“なんて、古くさい……ですよね……(>_<)
自分は自分、人は人――
割り切って、断ちきって、自分のペースで生きるほうが楽でしょう。
しがらみがなければ、重たくなくて、人生かろやか~でしょう。
 
 
されど
♪人生劇場の歌詞(→コチラ)にもありますが
義理がすたれば、この世は闇(歌詞引用)――そのとおりだと思います。
 
この3部作は、他人のために、そこまでするか!?というほどの
義理・人情を、見せてくれます。Qoo~♪(>_<)
それが、悲劇でも喜劇でも、イケちゃうんですから(^_-)-
 
 
▼~▼ 内容にふれて雑感です。(話3つなので長い
 
話と話の間には、♪『どじょっこふなっこ』が流れ、すごく、気分かわります^^;
 
▼▼▼
 
1.秋:千太郎~仲代達也さん
 
千太郎は、役人を斬った、“おたずね者“。
彼には、二十両の賞金がかかっていたので、冒頭、襲ってきた男を斬り捨てます。
 
ある親分のところで、わらじを脱いで、遊女おいねを見張ることになります。
 
おいねは、顔も良く覚えていないある男が、自分を身請けしようとしていることを知り
その男を思うことを、生きがいとしていました。
そのことで、“騒動”があり、千太郎が見張ることに。
 
私のツボは、まずは、おいねが知らない男でも、生きがいとしていること。
 
自分に気持ちを寄せる人がいて
その人を、思うだけで、生きる支えになる――
↑コレ、すごくよくわかる……
自分が生きるだけで精一杯だとしても、自分以外の人に
気持ち(愛情でも友情でも)が向いていると、
少し、強く、生きられそうな気がする……
 
多分、そんなおいねの生き様が、千太郎の心に響いていったと思う
深いシーンです。
 
その男は、身請けの金を用意する予定だったらしいが
話の内容で、冒頭で、斬り捨てた男だったとわかる……
なんという皮肉!(>_<)
 
薄幸のおいねを思って(←桜町弘子さんが、絶妙に、幸せうすそう)
気がとがめる千太郎……
 
そして、彼に、出来ることと言えば
自分の首にかかっている、二十両……
 
そのあとの千太郎の行動を、“男気“と呼ぶよ、私は……
 
 
2.冬:文造~志村喬さん & 源太~松方弘樹さん 4人やくざかも
 
吹雪きの中、たどりついた茶屋。
そこは、たまたまでなく、文造の妻子の茶屋でした――
 
これは、昔を悔いたやくざが、イカサマ博打で作ったお金を持って
妻子のもとに帰る~~というのも、1つの人情話ではありますが
文造のカネ目当てでついていった源太が、効かせます。
 
源太は、父のせいで村を追われ、“やくざ“(旅人・博徒)になるほかなかったという
典型例?を語ってくれます。(元から悪い人じゃないと)
 
文造のカネを、奪って逃げようとした源太ですが
文造に、出ていけ!と言った娘と、文造の仲をつないであげて
しかも
文造のイカサマを追ってきた輩に、一人で応戦します。
 
帰るところのなくなった源太には
帰る家のあった文造に、自分の想いを託したのかもしれません……
 
 
踏み分けないと、進めないほどの、深い雪が
心に降り積もってきた、それぞれの感情を示唆するようで
印象的な絵を、作り上げていました。
 
 
3.春:久太郎~中村錦之介さん
 
 
錦之介さんの、フットワークの軽い感じが生かされて、面白い。
久太郎は、調子のイイ男なんですよ。
 
とある村長から、“一宿一飯”の恩義(←コレも旅人の必需品)として
悪代官を殺してほしい、と頼まれた久太郎。
けれど、悪代官が強いので、しっぽを巻いて逃げることに…(_)!!
ダメじゃん、それじゃ…(_)!!
 
しかし、ほかの旅人が、村人からも悪代官からも、お金をせしめるのを見て
それはイカンと思う久太郎。
ましてや、村長が、悪代官に縛り首にあわされそうなことに!(>_<)
 
久太郎は、自分に勝ち目がないと知りつつ
一矢を報いようと、悪代官と対峙します。(←無茶だけどそう来なくっちゃ!)
でも、苦戦。やはりムリ?(>_<)
どうやって、悪代官をしとめよう……
 
で、その結末が、ウマいんですよ(*^_^*)
冒頭で、久太郎に出逢った、村長の息子とのエピソードが効いているんです。
 
要反転→その子が仕掛けていたタヌキ捕りのワナに、悪代官は引っかかり
首つり状態で死ぬのです。
 
 
悪代官を退治してほしい反面、久太郎に刃傷してほしくないような
複雑な気持ちが、一気に解決☆
 
▼▼▼
 
悲劇でも、喜劇でも、なんだか、ほっこりしたものが残るのは
それが、“情“というものなんでしょうか・
 
性格は、サッパリしても
義理・人情は、忘れちゃぁいけない……という自戒を込めて☆
どちらさんも、よう、ござんすネ☆(^_-)-