↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
海風を感じる、岬カフェ。
店主:悦子をめぐる人々の物語――
カフェが舞台、というのも、ステキですが
村治佳織さんのギターも心地よくて、鑑賞に、誘われました。
豪華キャストの面々が、パッチワークのように
それぞれの人生の一部を、
ときに、のどかに
ときに、残酷に、見せていきます。
小百合さん演じる悦子は、はじめは、人々の行事や出来事を
隣人として見守っていて、それだけでも
人生いろいろありますよね……というムードになっていきます。
が、やがて、それらを踏まえて、
悦子自身の人生や胸中に迫っていきました。
女神さまのような小百合さま=悦子が
あたかも、下界に降りてきて、
人間としての心の叫びを吐露・激白したのが
私には、とても、共感できました。
▼~▼内容ふれて雑感です。
▼▼▼
夫が他界し、知人も病死し、友人も転勤した……
悦子から、通り過ぎて行ってしまう人々…
そんなときに、起こった、カフェの火事。
焼け出された悦子が、自称:悦子を見守る甥(=阿部寛さん)に言う。
「あなた、自分ひとりが私を守ってるって思ってるでしょ?」
そこから、悦子の激白が始まりました――
その前に、
30年来のカフェの常連で、悦子の“親友“のタニさんのこと。(=鶴瓶さん)
親友と言いましたが、今までは、なーなーでも良かったですが
今や、転勤することになったタニさんは、別れたくない。
思い切って、告白しようと、釣ったふりまでした鯛を
カルパッチョにして、悦子と食事する。
でも、タニさんは、告白できなかった…orz
タニさんは、30年来の友情を守って、清らかに転勤していったとさ…
確かに、30年の常連さん、さよなら~ありがとね~と言う気持ちは
観る人それぞれの、別れがたい“別れ“を思い出させてくれるようで
私も、目頭が熱くなった。
やはり、吉永小百合さんは、友情を壊さずに、
連絡船に手を振り、美しい想い出が絵になるような別れが
ふさわしいのか………
けれど、ひとり残された女心としては、
「ありがとね~」だけでいいのか?と言えば
よくないです(T_T)
タニさんがさばいた鯛のカルパッチョを
「カルパッチョ最高☆」と喜んだ悦子だって
ただ、カルパッチョだけが最高だったわけではなかったと思うのです。
一方、甥っ子は、叔母・悦子への特別な愛情を抑えて
“見守る“ことに徹していたらしいですが
敢えて、悦子が、激白した言葉からは
こんなふうに感じたのです。
-遠くから見守るだけじゃ大丈夫じゃないのよー
亡き夫も、美しい虹の絵を遺して、あの世から、見守っていたかもしれない――
甥っ子も、迷惑をかけながらも、距離を保って、見守っていたかもしれない――
親友のタニさんも、転勤しても、遠くから、見守ってくれるのかもしれない――
でも、遠くから見守るだけでは、孤独の寒さは、癒せないんですよ…………
永遠なんてない。
命ある者は息絶え、形あるものは壊れる……
そんな無常な世界だからこそ、
今、そばにいてくれる温かさが、欲しいんですよ……
(なんか泣けてきてしまう……)
人間の本音というか、女心の本音というか
それが、浮き彫りになった悦子の姿が、本当に良かった…………….
▼▼▼
壊れたものなら、直し
失ったものなら、取り戻しに……(甥っ子の語りより)
命の再生(赤ちゃん(*^_^*))もあり……
ラストは、再生モードなのがイイ☆
村のフォークソング愛好会(←豪華キャスト)の陽気な歌で
メデタシメデタシ♪なのが、嬉しい(*^_^*)