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あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
 
 
大戦中のイタリア。
同盟国ナチス・ドイツのヒトラーが、ムッソリーニを訪問した、“特別な日”のこと。
 
 
式典には行かず、自宅で家事をしていた主婦(ソフィア・ローレン)と
ワケあり男性(マルチェロ・マストロヤンニ)が、ふとしたきっかけで、出逢います。
 
 
子だくさん専業主婦の、“不倫モノ”と言ってはそれまでですが
この“特別な一日“には、単に、男女の切なさだけでないものが、あります。
 
 
以下、雑感となります。
 
 
▼▼▼
 
 
家族のために、身の回りのことをするのは、主婦の役目だとしても
「ママ(自分)が3人は必要」だと思うほど、時間に追われ続けているのに
夫は、自分に用事を言いつけるだけ。
 
 
疲れた自分を、ふっと、どこかに逃がしたくなることは、あると思う……
 
 
家族が、式典に出かけているとき
飼い鳥が飛んでいってしまうのは、主婦である彼女の、“願望の暗示”のようでもあります。
そうして、
その鳥を追ってるうちに、一人の男性と、出逢うのです……….
 
 
ソフィア・ローレンマルチェロ・マストロヤンニ
 
 
この2人は、多くの作品で、男女の物語を見せてくれますが
この作品での、たった1日の男女が、とても印象的です!
 
 
好意から始まった出会いに
彼女は、自分の虚ろな部分を、満たしてくれるものを感じました。
好意だけで、とおり過ぎれば良かったけれど
砂漠に落ちた水が、あっと言う間に、吸い込まれてしまうように
その流れを止められないまま、乾いていた彼女は、満たされました。
 
 
そして、恋に落ちて、みるみるキレイになった彼女は、言うのです。
また、逢えるかしらと……
 
↑↑この部分が、スゴクいい!
しかも、このシーンは、とても切なさを含んだシーンだったのだと、後でわかるのがイイ!
 
 
人妻には、今日が、出逢いの始まりの日。
日常のなかに、新しい日が訪れた。
 
 
そして、このシーンも↓。
物干し場で、二人で、シーツを取り込むという、生活感たっぷりのシーンと
二人の間に、大きな柱を置いた、室内でのアングル。
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まるで
毎日が、同じように過ぎてきた人妻の一方で
ワケありの男性は、もう、ここを出ていかなければならない事情を、抱えていた……
と言うことに、呼応するように……
 
 
そんな中、確実な別れが、ハッキリしないまま、
なんとなく、忍び寄った感じで終わるので
不安と寂しさに覆われた、深い余韻を、残します。
 
 
 
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私も、今日と同じように、明日が、来るものだと思っていたことがありました。
今日、会話したように、明日にも、また、つながりがあると思っていました。
 
 
けれど、輝かしい出会いは
始まっただけで、いきなり、終わることがある。
 
 
それを、知らずに、
「また、逢えるかしら」と聞いてみたい彼女の気持ちは、痛いほどわかる。
そして
明日以降、彼がいなくなってしまったことに、
あとから、実感として気づくであろう彼女が
とてもとても切なくて、不憫に思う……
 
 
不倫はいけないことなのは、わかっていますが
自分を、家事人形でなく、感情のある生きた人間として、観てくれる人がいたら
やはり、心だけでも預けたいと思うものだと思う……
 
 
人妻に、感情移入して、観ていましたが
“特別な事情”の彼にとっても、彼女と出逢えたその日は、特別になったはず!
 
 
一瞬でも、満たされたひとときがあるなら
それが、哀しみを引きずってきて、はかなく消えてしまっても
素晴らしい“特別な一日“として、私は、大切にしたい……
 
 
そう感じた作品です☆
 
 
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