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                                   三國さんはココ↑
 
 
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
 
三國連太郎さんの訃報がありました。(享年90才) 
 
 
三國さんは、『釣りバカ日誌』シリーズでおなじみなのでしょうが
私は、そのシリーズは、あまり観ていないので
“釣り好きの上品なおじいさん“というイメージです。
 
 
しかし、誰にでも若いときはあって
若くて精悍、ギラギラした三國さんは、やはり
まぶしいものを感じます。
 
 
そんな若さみなぎる頃
老人を演じるために、若さを消すために
自分の歯を抜いてしまったという三國さんのエピソードを聞いたとき
なんて役者なんだ!と思いました……『異母兄弟』
(歯のない顔には、確かに若さが、そがれるけれど……)
 
 
 
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『警察日記』は、面白い作品でした。
 
 
面白い、といっても、薄っぺらい笑いなんかでなく
今にはない生活臭というか、
生きぬくための匂いと、強さと、
表面的な同情ではない、温かさを感じた作品でした。
 
このあと、あの人は、どうなるんだろう~という気持ちが
サスペンスの展開とは違った、”気がかり”として
引っ張ってくれるのです。
 
 
この作品は、森繁久弥さんが主役の田舎の警察が関わる出来事でした。
 
 
森繁さんは、捨て子の世話に関して、翻弄するのですが
子供は、5人でも6人でも変わらんだろう、と
ついには、子さくさんの我が家に連れ帰ってくれます。
家では、奥さんがお産したばかりなのに、奥さんも、快く受け入れてくれます。
 
 
物語だから、ということもあると思いますが
なかなか、できることではありませんよね。
 
 
昔は、貧しくて、生活も今ほど便利ではなくて
今よりも、出来ないことのほうが、多分、多かったのに
それでもなんとかしてあげたいという気持ちで
今よりも、人々が、面倒がらずに、快く手を貸し合っていたように思います。
 
 
この警察にお世話になる人も、生きるために
そうなってしまったというような事情を、抱えてやってきます。
 
 
三國さんは、身売りされる娘さんを気遣う、若いお巡りさんでした。
 
 
が、その気遣い方が、センチメンタルなんですよ…
人道的に同情するだけでなく、
正義感と優しさあふれる青年の恋心が、にじみ出てくるんです。
その三國さんの表情が、イイのです。
そして、あとで、娘からの手紙に“もみじ“が添えられているのも
前からの流れで、とても詩的……
 
 
か、この作品は、モノクロだったと思いますが(たぶん)
その“もみじ“が、赤く見えたような気がしています。
それほどのシーンでした。
 
 
(下世話な言い方をして、申し訳ありませんが
このときの三國さんの誠実なイメージを見たときに、
大地喜和子さんなど、三國さんに惹かれる女性がいても、不思議はないな…と思いました)
 
 
そのほか、宍戸錠さんが、出ていますが(新人です!)
息子さんの宍戸開さんに、ソックリ!!!
親子間でわだかまりがあるお噂も、耳にしますが
やはり、血は争えませんね
 
 
 
 
 そのほか、
一命』でリメイクされた『切腹』では、三國さんは、家老役でした。
そのときは、シビアに、お役目をこなしているような家老でした。
 
 
熱い役、クールな役
ギラギラした役、穏やかな役
幅広く、魅せてくださいました。
 
 
長い役者人生、お疲れ様でした。 
 
 
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