↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
(内容の一部についての雑感です)
≪登場人物≫
評論家の熟年男性:秋葉 藤竜也
元ホステス :霧子 黒木瞳
元愛人:史子 阿木耀子
離婚後、愛人・史子と、それなりにいい関係にあった秋葉だったが
荒削りな若さのなかにある、霧子という娘の魅力に惹かれ
自分の手の中に置き、思い通りの女性にしていく秋葉だったが
いつしか
霧子は、蝶に変化(へんげ)し、その羽を、広げるようになった……
まずは、お気レビさんも絶賛の黒木瞳さんの魅力に尽きるところが大きいです。
黒木さんは、無垢でたおやかで、すれ違った男性が放っておけない雰囲気が
あるように思います。
そこには、人形のような従順さも感じられながら、
クラクラするほどの香しい女の色気が、さりげなく、ある……
秋葉を藤竜也さんが演じていますが、これも適役。
彼は、ハードな男っぽさがあるのに、少年っぽさというか
ちょっとたじろぐ弱さをも、滑稽さを加味して持っている感じで
上から目線で、娘を見ていたのに、
いつの間にか、女性を見上げて振り回されていく、というのが、合っています。
前半の秋葉の様子は、男性には、願望という共感ありかな~と思います。^^;
しかし
男性が育てるつもりでいても、
女性は、いつか、自分から化けていく……
原作者の渡辺淳一さんは、男性として、作品の中で、
どう女を転がすのだろうとの興味がありますが、今作でも、ハッとさせられました。
それは、クライマックスになるのですが
霧子が、いわゆる自立して、秋葉のもとを去るときの理由です。
それは、ただ
私を自由にして!ではなかったということ。
霧子は、自分が愛されたために捨てられた、前愛人・史子と仲よくなっているという
不思議なことが起こります。
(ここは、愛人どうし、仲よくやってほしいというような
男性作家の願望もあると思いますが^^;)
彼が、自分を愛したために、ほかの人を捨てたのなら、
いつか自分も、同じ目に遭うだろうと……
だから、霧子は、自分から、愛する秋葉のもとを去ることにした。
↑この作品のツボと言える、このことに、とても心惹かれるものがあります。
私は、自分自身、キッパリと線を引くのが下手です……
いつまでも尾を引いて、未練タラタラの、面倒な女になっています……(>_<)
だって、離れたくないし、忘れられないもの……(T_T)
もう、自分に相手の気持ちが無いことが頭ではわかっていても、
終わらせられないのです。
ちなみに、コピーは『男が始める。女が終わらせる。』でした。
言い得て妙ですね。
霧子が、終わらせたのは、秋葉を愛していないからではない!
というのが、胸に刺さりました。
そう……
私は、終わらせるのが下手ですが^^;
思っていることは、霧子と一緒。
彼に、捨てられたくないのです。
愛しているから……
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「愛していたの あなただけを 永遠に忘れないで……」
愛した人に 捨てられたくない
忘れられたくない
愛しすぎるほどの恋は、死ぬほど愛する、とも言うとしたら
映画『髪結いの亭主』の妻を思い起こします。
化身とは、端的に “愛の化身”なのだと思いますが
その実態は、単純ではなく 深い深いもの。
一緒にいたいだけの“好き”でなく
いい女に変わっていっただけの“変化”でもなく
もっと、グンと変化(へんげ)した愛の形を見せた、霧子という女。
やはり、それが、初々しい魅力がたまらない黒木瞳さんだからこその
“化身“なのでしょうね……(ため息>>)
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