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あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
 
 
花巻農業高校で教師だったこともある、宮沢賢治の童話です。
 
 
冷害で、家族4人の幸せを失ったブドリが
1人で生き、学び、たどりついたのが、火山局の仕事。
再び、ひどい冷害のおそれがあるとき、ブドリは、火山を相手に、ある決心をする……

 
冷害による凶作が、どれだけの被害と不幸を、
人々に与えるかを
身に沁みて知っている賢治だからこそ、
生まれた作品だと思います。
 
思えば、すごいコトを考えました。
 
 
(以下、内容にふれて雑感です)
 
 
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ブドリの考え
 
1. 低温で凶作なら、温暖化させればいい。
2. 温暖化には、CO2を増やせばいい。  (CO2と温暖化の話題はその頃から!?)
3. CO2を増やすには、火山を爆発させればいい。
(注:火山灰による低温化を見越して、火山を選ぶ)
 
火山を爆発!!?
そこまでする?と思いますが……
 
天候と密接に関係のある人と、あまり関係のない立場に居る人とでは、
気温1度の差、降水量に対する意識が、全く、異なるのだと思います。
(外為レート、株価の1円の上下と同じようなもの)
 
来週、雨が降っても、今週、干ばつで枯れた作物は戻りません。
いつか、温かくなるかな~では、冷害は回避できません。 
 
飢饉になっても、消費者は、ほか(外国)から買えばいいだけかもしれませんが
生産者は、それで、1年がパアになります。
 
 
  ブドリの思い切った決断は、切羽詰まったものが知る危機感です。
 
 
……けれど、自己犠牲の美談というような、壮絶感でなく
「伝記」というより、「伝説」のような、
淡い、フェイドアウトで終わったように思います。
もっと、ドラマチックなインパクトがあっても良かったかな~と個人的には思いました。
 
 
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作画は、とても、細やかで美しいです
木や草などは、心が洗われるようで、見ていて気持ちいいです。
 
 
都会の風景は、レトロなのに近未来、という感じで、時代を特定できないのが
普遍的なのかもしれません……
 
 
ブドリが青い猫であることも、そうらしいです。
監督いわく、猫であって猫でないらしい……
人間にしてしまうと、個人を特定してしまうようになるので
それを避けたかったらしい……
 
(とは言え、前の『銀河鉄道の夜』のネコちゃんは、なじめませんでした……orz
 
 
今回は、背景の絵がキレイなのと
小田和正さんの透き通るような歌声が、感動的だったということもあって
青いネコのブドリに、違和感はありませんでした。(慣れたのかな
 
 
これはこれで、いいのかもしれませんが
“”はやぶさが大気圏で燃え尽きたときの感動“”のようなものを、もっと感じたかったな~
と思いました。