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あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
 
 
作家・三島由紀夫が、若者とともに “楯の会”を結成し、
防衛庁内での割腹自殺するまでに 
焦点を当てた作品です。
 
彼が、どんな思想を持ち、どう行動したのか?
上映時間中、緊迫と焦燥に、ひきこまれました。
 
作家・三島由紀夫あるいは、一個人・平岡公成としての解釈や研究は、
すでに、種々あるので
彼と楯の会について観ることで
現在の、自分自身と社会との関係(たとえば、2011年の尖閣問題についてなど)で、
想うことはあるのではないかと思います。
 
 
(三島氏の自殺当時は、私は、子供でよくわかりませんでしたが、
1970年前後は、ヘルメットに角材を持った集団行動が
けっこうあったな~と思います。)
 
三島由紀夫(敬称略)を語るとき、
色々な意味で、“死”を切り離すことはできないと感じています。
映画も、彼と“死”(自殺だけでなく、観念としての死も含む)との関係を、
どう見せるのかに興味がありました。
 
以下、雑感です。
 
 
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    「あなたのためなら死ねます」
 
 
“若者たち”の1人、森田必勝(まさかつ)。
満月島真之介さんが演じたのですが、
きっと、これほどの実直・一本木の好青年だったのだろうと思わせます。
 
森田に、想いのたけを吐く三島氏(井浦新)の熱弁も、迫真の演技で
これだけ口説かれたら、純粋な青年な、その熱き血潮に染まるだろうな~
などと思いました。
 
男心に男が惚れると言うのでしょうか……
「あなたのためなら死ねます」              (←『愛と誠』だけじゃないんだよと……
 
もはや、思いとどまって欲しいと思うのは、
傍観者である私の無責任な願望にすぎないのでしょう。
三島氏とともに割腹した森田青年も、記憶にとどめたい。
 
 
 
    三島vs東大全共闘
 
 
三島氏が、東大全共闘で話すシーンも、興味深かったです。
じっくりイデオロギーを語るのではなく、口角泡を飛ばして言いあう光景には、興奮。
 
意見を述べて、理解してもらうことは、むずかしいな……
などと改めて感じた(今更だけど)。
あの紛糾の延長線上に、防衛庁での演説があったのかな……と思うと、若干の虚しさが……
 
 
    「あなたはいつ死ぬのですか?」
 
 
 
聞くところによれば、“死”をほのめかしていたような三島氏は、
どなたかにいつ死ぬのか?と聞かれ
死を催促されたようなことになり、自死は時間の問題になってしまったらしいと、
聞いたことがありましたが
私は、誰が聞いたのかまでは、存じませんでした……
 
作品では、山口二矢(おとや)が、尋ねました。
 
山口二矢(おとや)は、1960年、日本社会党委員長の浅沼稲次郎を刺殺したのち、
獄中自殺した青年です。
楯の会の結成は、1968年なので、
時間経過が合わず、わからなくなってしまったのですが^^;
“死“に挑ませるための、象徴としてのシーンだとしたら、
浅沼稲次郎暗殺シーンが冒頭にあることと併せて、
インパクトはあったと思います。
 
 
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井浦新さんの三島由紀夫は、思っていた以上に、熱かった……
外に熱いだけでなく、内側にみなぎるものがあった……
 
「変わらないわ」
 
三島氏の死後、5年経ったあとの妻のつぶやきも、意味深だった。
今は、どうなのか?何か変わったのか?
 
 
もし、変わったことがあるなら、
それが、以前より悪くなっていないか……………………???
 
 
「聞けえええ~!!!」
三島氏の死の直前の叫びが、作品のとおりなら
あれだけでなく、もっともっと深いところまで、話を広げたかったと思います……
 
 
そこで、叫べなかった分を、作品は補なったのではないかと思われます。
 
 
 
 
 
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