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公式サイトですhttp://byakuyako.gaga.ne.jp/
 作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/153843/
あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
 
 
 
原作者自身が、完璧な映像化は不可能だと、チラシに書いていた。
自分の描いた“理屈では説明できない負の感情”のとらえ方が、読者にゆだねられるからと。
ただし、映像化は、負の感情にどんな理屈がつけられたが見どころだ、とも書いていた。
 
原作未読者は、ミステリーの謎解きを楽しみ、それに付随した“負の感情”を、
垣間見るのかもしれない。
 
けれど、謎解きのほうが“負の感情”に付随したものと感じているかもしれない既読者には、
映画は、作品の上澄みのように思えるかもしれない。
 
すでに、ミステリーのタネ明かしとも言える記事もあるが
このタネ明かしで、びっくりしている場合ではないのだろう。
(なので、言ってしまおう)
 
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 ドラッグ↓
 
 
~少年は少女を助けるために父を殺した~
 
 
 
そして、少女は、それ以前から“負の感情”を持たされていたことがわかる。
ある意味、“その事件”が、少女の“負”を、少年に共有させた。
それは、ほんの少しだけ夜を照らす光には、なったかもしれないけれど
それを、慰めにして、自分の感情を納得させてはいけないのだろう………。
 
 
心を殺された子どもたち。
彼らの心は、何を生み出せず、何を生み出してしまうのか……。
 
 
そんな心の姿は、えぐり出すように、見せてほしいと私は思っている。
それは、興味本位ではなく、
静かな笑顔の下にある悲しみに、近づけると思うから。
 
 
痛ましい心を、他人がどうにかできるものではないけれど、
誰にも、“負の感情”はある。心が固まってしまったと感じることもある……。
 
 
それが、小説や映画鑑賞で、どうにもなるものでもないけれど
そこに触れることで、自分の心にも、うっすらと光が差し込んでくれることはある。
 
 
感動し、心揺さぶられ、涙を流す……
“負の感情”が、少しでも、ゼロにでもいいから、心が動いたと感じたくて……
(映画では、子役の少年が、良かったと思う。)
 
 
「私は知らないわ……」
 
れは、無関心でも、無感情でもないはずの言葉だった。
それは、闇にあったわずかな光が、消えた瞬間でもあったかもしれないから。
そこに、究極の“負の感情”が、詰まっていたはずだから……。
(シーンは、もっともっと虚無感があっても良かったと思う。)
 
『白夜行』は、映画でネタを知ってから、
小説で、それぞれの“負の感情”と向き合うのも、いいと思う。