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映画レビューです。(ネタバレ表示です)
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id329145/rid38/p0/s0/c0/

作品について  http://cinema.pia.co.jp/title/19818/
  ↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。



茶々についての雑感です。
(作品のデキは、あまり悪く言いたくないので......)


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映画の中の茶々像にこだわりませんが、私は、彼女には、
プライドを捨てなかったために、身を滅ぼした女
という、イメージを持っています。


いわゆる史実と映画作品は、異なっている、とレビューでは、書きましたが、
これには、多少の抵抗が、あります。


と、いうのは、現在、これが正史と言われていることであっても、
後世、異なる事象が発見されることもありえますし、
人物像に至っては、結局は、各自の推測に過ぎないからです。


記録があったとしても、著者の主観が入りますし、
事実が書かれている、との確証が、必ずしもあるわけでは、ありません。
ですから、私が、彼女に“強さ”を感じることは、実際の彼女とは、
まったく異なっているかもしれません。
あくまでも、私のイメージということで、御了承くださいませ。



彼女の“女が持ちうる強さ”を、想う時、
現実世界で、私が出会ってきた女性たちの“強さも”
当然、重なります。


それが、いい意味での強さであればいいですが、
女性を“強い”と形容する場合、男性から見た、可愛い気の無さも、ありましょう。
いい意味の、というのは、やはり女が母として、子供を育て守るために、持つ”強さ”でしょう。
子を守る“母の強さ”の前に、“女の弱さ”を隠すか捨てるか、することも多々あるでしょう。


適切な言葉が、見つかりませんが、
私を、もし、“その立場にいる女”とした場合、
私は、自分の強さだけを頼りに、進んでは行かれないと想います。
(そうも言っては、いられないとしても…..)


女性としての弱さに甘える訳ではありませんが、
自分が、前面に立たなければならない強さなど、持つ必要のない状態でいたい、と想ってしまいます。
(甘えてますね….。)


茶々は、秀吉が長命であったら、自分のプライドを試される状況には、
逢わなかったと想うのです。
紆余曲折はあっても、子供がいるところが、自分の身の置き所=家(城)を得たわけですから。
子供の成長を見守りながら、秀吉に守られながら、
比較的、心穏やかに暮らせたと想います。


ところが、茶々は、
自分だけでなく、城も息子も、失う結果になってしまいました。
家康は、いずれ豊臣を滅ぼす心積もりであったとしても、
茶々の出方で、変わりうる可能性はあったと想います。
彼女も、時代をうかがって生き抜いてきたのですから、
もっと利口に立ち回れたはずではないかと、想うのです。
子供を、秀頼を守る事を、何よりも優先しなければならなかったと想いますよ。
私は、この事例から、知らず、自分の中に、下手なプライドというものがあるのなら、
戒めにしなければ、と想っています。
確かに、プライドは、自分を律するものでもありましょうが、
自分だけでなく、守るべきものをも滅ぼしてしまうものだ、との教訓にしています。


ただ、「もう、傷ついている」にも書きましたが、
いくらコイツを攻撃しても壊れない、と想われるような虚勢で、
身構えて、戦っているようなときには、
カラ元気的なプライドで、どうにか立っているような時も、ありますよ……。
(あるでしょ?)


私は、強くなりたい、とは想っていません。
強くなる必要のない、優しさのなかで甘えて生きたいですよ。
だから、もしかしたら、きっと茶々も、
強さを誇示する必要のない生き方を、本当は、したかったのではないかしら、と想うと、
気の毒に思えてしまうのです。
彼女だって、“女の弱さ”に、甘えたかったかもしれない、と、ね……。



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