過去に創作小説で使った登場人物の対話方式にて綴ります
人物の名称などに関しては
(わたし自身のネーミングセンスの関係で)
そのまま使いますが、
基本的には
「ランフィード=わたし自身」
「ガストン=聞き役」
だと思っていただいて結構です。


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ランフィード(以下ラン):
悪いが話に付き合ってくれ。
心神喪失の話をメインに語りたいんだが、
犯罪との兼ね合いの話になると思うんで
かなり物騒な話になるとは思う。
だけど、考えを整理しておきたい。

ガストン(以下ガス):
心神喪失って・・・・・・
犯罪行為のときに免罪符になってるヤツか?
心神喪失状態だったら犯罪を犯しても
罪に問われないで代わりに強制入院になる
アレの話なんだよな?

ラン:
そうそう(笑)
見方に寄っちゃ免罪符なんだが、
強制入院で世間から隔離できるのがメリットだと思ってた。
だけど、その見解が変わったんで
その辺の情報整理がメインの話になる。

ガス:
見解が変わった?
具体的にはどういう話だ?
世間から隔離できるのなら、
ソレが無期刑や死刑の代わりになると
そういう持論だったよな?

ラン:
うん。過去形で話すならその通り。
なんだけど、犯罪行為を起こしていない
もしくはやってても軽微な場合には
その『世間からの隔離』が一時的で
無期刑に該当しない制度っぽいんだ。
かなり念入りに確認したんで、
今は確信もって言えるんだが・・・・・・
心神喪失状態で犯罪を犯していない場合
敢えてそのまま退院させるケースもある。

ガス:
ちょっとまて!
敢えてそのまま退院?
そしたら犯罪行為に走るんじゃ無いか?

ラン:
認めたくないが、その通りだ。
具体的な事件名は明言しないでおくが
過去にそういう人物が起こした犯罪もある。
ニュースになってる話だと、
たいていの場合は死刑に該当しそうだが
そういう危険人物を隔離し切れていない・・・・・・
ソレが今の『心神喪失』での強制入院。
だから措置入院も同じ状態だ。

ガス:
なんだってそんな話になるんだ?
確信もってるって事は何か証拠でも?
結果だけを見ると確かに
事件を起こすようなのを退院させてる例はあるが
『敢えてそのまま退院』なのか?

ラン:
うん。悪いが実体験がある。
俺自身は犯罪行為の未病では無く、
『誇大妄想が極度に強い』状態での
心神喪失状態だったから
犯罪行為にこそ及ばなかったが、
心神喪失状態に陥ってるのを確信した上で
退院させられた話がある。
共通している話としては、
『医師や看護師の手に負えない』
かといって犯罪行為を起こしてるわけでも無い
具体的に言えば軽犯罪はあるんだがね。
医師や看護師の手に負えない話というのは
最低でも無形力での『暴力行為』はある。
だけど、それだけだと刑罰が軽すぎる。
だから『手に負えない』のは退院させてるんだ。

ガス:
いや、まぁ・・・・・・
気持ちとしては判らなくも無いが、
ソレやっちゃ駄目なんじゃ無いか?
手に負えないのを退院させてたら、
ソレこそ犯罪行為に走るんじゃ?

ラン:
俺の場合は犯罪行為に走らなかった。
『誇大妄想』が原因だったから、
その状態で放り出しても大丈夫だと思われてた
そんな節もあるんだが、
重要なのは、
『心神喪失状態と確信した上で』
退院させてるって話なんだよ。
心神喪失状態って簡単に言うけど、
『なにしでかすか判らない状態』
なんだよ。
事件を起こすような例だと、
『事件を起こしかねない状態』でも
同じように手に負えない件を
敢えて退院させて、
犯罪者として処断するようにしてる。
そういう確信を持っちまったんだ。

ガス:
『犯罪者として処断』かぁ・・・・・・
確かにその方が手っ取り早いが
なんだってそんな話になるんだ?
おまえの事例があるって話だが、
そんな時期あったか?

ラン:
有ったよ。
俺の場合は数日で医療保護入院になった
だから気がつかない人も多いはず。
病院内では問題行動もあったんだが、
そんなのは外に漏れない話だからな。

ガス:
病院内では問題行動もあった?
ソレが何で退院しても犯罪に走らなかったんだ?

ラン:
俺の場合は『誇大妄想』での心神喪失。
だから犯罪行為に直結しないんだ。
だけど、妄想状態が暴走していると
言動が支離滅裂な状態に陥る。
だから『医療保護入院』は適用できた。
そしたら単に世間から隔離されただけなのに
心神喪失状態が解消していったんだ。
犯罪行為に走らなかった原因で言うと、
こんな感じなんだが・・・・・・
俺の『誇大妄想』は収入が伴ってないから
実行したくても実行できない状態だ。
もうちょっと具体的に言うと、
『退院したら何らかの収入源がある』
そういう妄想があったから、
妄想(理想)と現実のギャップに当たって
言動が支離滅裂な状態に陥って、
そこに心神喪失での異常行動が起きた。
だけどコレが、
『実力行使を伴う状態』だった場合には、
心神喪失状態で犯罪行為を引き起こす。
そんな例もあるとは思う。
俺の場合は、
『実体験を強く望む』ともいったから
実際に体験出来たのかもしれんが、
一歩間違えれば犯罪行為に手を染めた
そんな可能性もゼロでは無かった。

ガス:
可能性がゼロじゃ無かった?
おまえの場合、犯罪行為に走るとしたら
「無差別殺人のテロ」だよな?
そんな危険な状態で退院したのか?

ラン:
んむ。
その危険性がわずかながら存在したが、
『自身の心神喪失状態を自覚』
していたから実行には難があって、
計画的犯行に必須な『冷静な思考』
コレが出来ない状態だったから
ただ単に支離滅裂な言動だけで終わった。
あんま明言したくない話なんだが、
俺の場合は『自覚もある』状態だと
確信を持たれた上で、
敢えて実体験できるように退院させて
そしてすぐに収容したんだと、
そういう状態だったとは思うが、
『意図的に心神喪失状態を作り出す』
そういう処置を施されて、
しばらく病院内で経過観察されて
ソレで確信を持った上で退院。
そういう状態だったというのが問題だな。
『心神喪失状態を作り出す処置』
コレが意図的に出来るのなら
『手に負えない状態に陥っている』
その患者を『心神喪失状態で退院』
させて、
犯罪行為に走ったら犯罪者として処断して
そうで無い場合には『解除』すると、
一種の洗脳みたいな状態を
『病院が確信を持って実行』していたんだ。

ガス:
なっ!
洗脳って簡単に言うけど、
そんなことが可能なのか?
具体的にどういう処置なのか、
その辺は説明できるのか?

ラン:
もしかしたら薬物も使っているかもしれんが、
おそらくは『暗示』が中心だと思う。
一種の催眠術ではあるんだが、
その辺の記憶がすっぽり抜けているんで、
証拠を要求されたら弱いんだけど、
本気で必要なら『診療情報開示請求』で
具体的に聞き出すことは不可能じゃ無いかも?
だけど、ソレは無意味だ。

ガス:
無意味って・・・・・・どうしてだ?
証拠を押さえる必要があるんじゃ無いか?

ラン:
いや、そうでもない。
『実体験を強く望んだ』要望は達成してる。
具体的に言うと
『手に負えない状態の患者を退院させる』
その際に
『本人に判ったとしても証拠が薄い』
その状態で『処置を遂行』出来る技術がある。
ソレが実体験できただけで十分だ。
その手法を暴くことは
俺にとって何のメリットも無いどころか
『証拠が揃っちまったら実行できない』
そういうリスクの方が大きな話になるから、
診療情報開示請求は行わない方が
総合的に判断するとプラスになる。
『よく判らん記憶喪失の状態』
コレが残るのは気分的によろしくないが
処置を受けてた間の記憶が抜けてることは
割り切って考えた方が良いと思う。

ガス:
記憶喪失をそのままにするってか?
『実行できない』のがデメリットと言ったが、
何でそんな話になるんだ?
心神喪失状態を意図的に作り出せるなら、
その状態で退院させるのにメリットがあるのか?
だから犯罪行為に走るのが出るんだろうが、
そこに何の意味があるんだ?

ラン:
あぁ、そういう疑問がわくか。
『心神喪失状態を意図的に引き起こす』
コレが可能と言うことは
『ある程度コントロールが可能』
でも有るんだよ。
具体的な事件名は言わないが、
『過去に措置入院の経歴がある犯罪者』
コレが病院や医師・看護師やらを
『犯罪行為のターゲットにした例が無い』
そのコントロールも出来ている気がする。
その上で『犠牲者には申し訳ない話』だが
『実際に犯罪行為を引き起こして社会問題』
その前例を作る事で、
『犯罪行為として未病の状態』であっても
相応の『措置を講じられる』様になる。
今の世の中って
『人権保護が強い状態』だから、
『犯罪者として未病の状態の患者』に
『無期刑同様の世間との隔離』が難しい。
そういう状態でもあるんだよ。
だけど
『退院した後に事件を起こされた』が
数件も起きれば、
『やっぱり隔離するしか無い』という
『世間の風潮』を作り出せるようになる。
『医師や看護師の手に負えない』
が『妄想を解消できない』話の場合、
敢えて妄想を暴走出来る状態になるよう
『心神喪失の状態にする処置』を講じて
世間から隔離した状態になったら
『その洗脳が解けるように』
あらかじめ暗示を掛けておけば、
洗脳の証拠は何も残らないし、
ひょっとしたら
『記憶喪失すらも制御可能』
なのかもしれん。
そしたら、洗脳を疑うことも無いかも?

ガス:
ぶっ!
聞けば聞くほど物騒な話になるな。
その辺は
『おまえの被害妄想』じゃ無いのか?

ラン:
もちろんソレも考えたんだが、
『こう考えるのが辻褄が合う』し
そして
『手に負えない状態にある患者』を
『人権に配慮すること無く世間から隔離』
コレが遂行可能な状態に持って行ける。
『人権に配慮するから手に負えない』
のであって、
人権に配慮する必要が無ければ、
『講じられる措置』ってのはあるんだ。
コレがメリットとしてあるな。

ガス:
あ、そうか・・・・・・
メリットはあるんだな。
『人権問題』を出されると、
人道的に問題があるとか言う話は
遂行したくても出来ない話になるのか。

ラン:
そういうこと。
だから『人権問題を切り離す』
このメリットのために
社会問題を起こさせる様なのを
『敢えてそのまま退院』させている。
そう考えた方が辻褄が合うし、
俺が今やってる問題提起も
もしかしたら『想定の範囲内』の話
そんな気がしないでも無いんだ。

ガス:
へ?
この問題提起が想定内?
人権問題の話はともかく、
洗脳の話は・・・・・・
問題提起されたくないんじゃ無いか?
証拠が薄いと言っても
火の無いところに煙は立たんっていうし
問題提起されちまったら
困る問題にならないか?

ラン:
結論だけ言おう。
『人権問題に配慮不要なら洗脳も無問題』
ってなるから困る話にはならん。
だから
『確信持ってるけど』
『洗脳された事実に対して抗議しない』
って言ってるんだよ。
てかね?
以前の俺だったら
手に負えない様なのに対して
『無期刑か死刑』もしくは
それに準ずる『無期の措置入院』
と言う持論だったが、
洗脳OKと言う話になれば、
『洗脳で無害化した上で放流』
と言う、
人権にも一定の配慮をした形での
『措置(医療的な処置)』
コレが可能になると思ってるんだ。
洗脳が実行可能だと仮定するなら、
『人権に一定の配慮』が可能だけど、
コレが俺の被害妄想だった場合には
『手に負えないのは無期限の隔離』
って言い続ける話になる。
そっちの方が人道上の問題があるし
最終的にはこういう理論になる。

ガス:
でも、洗脳って大丈夫なのか?
本人の同意なしに実行したら・・・・・・
それはそれで人権問題に抵触しないか?

ラン:
その問題提起にはNoと言いたい。
もうちょっと具体的に言うと、
『使い方次第で毒にも薬にもなる』
だから使い方の指定は必須になるけどね。
おまえさんが言うような人権問題は
毒になるような使い方を指してると思うが
『社会に適合できるようにする処置』
に対して抗議してるともとれる。
だから『洗脳』って言葉は問題だが、
他に適当な言葉が思いつかんのよ。
さっきから『処置』って言葉は使ってるが
コレだと意味が曖昧すぎるしね。

ガス:
確かに『処置』じゃ曖昧だな。
しかし
『社会に適合できるようにする処置』
ってのも、また物騒な話なんだが、
そんなコントロールが可能なのか?

ラン:
判らん。
『出来ると仮定して話をしている』から
その点を突かれると弱いんだが・・・・・・
コントロールできないからこそ、
社会問題を起こす様なのが
そのまま退院しているのかもしれん。
もしかしたら、
『俺を含めてモルモット状態の人体実験』
で、手法を模索中の可能性もあるな。
その失敗例がニュースになるような奴らだと。
そういう見方も出来なくは無い。
だけど、
その辺を暴くのはデメリットしか感じられん。
洗脳ってか催眠療法だとして
『暗示が効かない』タイプの場合は
この手法も使えない話になるからな。
使えないというか効果が無いというか?
かといって
『処置が効かないから無期限に隔離』
ってのは人権問題になっちまう。
だから『出来ると仮定して話をしている』
って部分もあるんだが、
同時に『暗示を跳ね返し切れる人も居ない』
そう感じるくらいには強烈な体験だったと
酒に酔っても自我を失わない俺が
『暗示で自我を失った』と言うんだ。
ある程度はコントロールできないと・・・・・・
その手法を実行するのは怖いと思うんだが
その辺は俺の希望的観測も入っている。
今回の話はこの辺で終わろう、
話に付き合ってくれてありがとうな。


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今回の話は『憶測がメイン』になっています。
その点をご了承いただけると幸いです。

このような話にお付き合いくださり、
誠にありがとうございます。