ダイニングテーブルの選び方。これでもう安心?(その1) | かぐかんがえる。

ダイニングテーブルの選び方。これでもう安心?(その1)

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ついに家具のことを書きます。(笑)

このテーマはwebや雑誌にも記事が載っていますね。でも、なんだろう、目安になる数値があっても、でどうするの? 結局どうすればいいの?・・っていうことも。

そんなあなたにちょっとだけ役に立つかもしれないこと・・う~ん、昨日記事にした「フワッと理解」の応用?みたいなことですが、「家具選びにも感覚を使った方が面白いですよお」というお話し。興味のある方はお試しください。

何をするかというと家具を体で感じ取る・・そんなことです。

3つのステップで目からウロコが・・(というほどでもないか)

1.心地よいダイニングテーブルの高さを感じる。
2.心地よい椅子の高さを感じる。
3.体で家具を感じる感覚を得る。

1.ダイニングテーブルの高さは大体70~72cmですが、敢えて言うと僕のお薦めは70~71cm・・微妙なことだけど72cmはちょっと高すぎるかもと思ってます。ですけどね・・ここから大事・・僕の今言った寸法は一度忘れてください。あなたは今使っているダイニングテーブルの高さに慣れていますから、もし新しいテーブルを手に入れるのでしたら、今の高さより低い方がいいか、高い方がいいか、それとも今のままがいいのか・・を確かめたらいいのです。

テーブルを前に「いつもの作業」・・ご飯を食べる、お茶碗を持ち上げる、PCを使う、手紙を書く、新聞を読む・・そんなことをしながら「う~ん、作業しやすいかな・・どうかな、これでいいかな?」とあらためて考えてみてください。

さて、実験タイム。テーブルや椅子の高さを変えて「いつもの作業」をしてみましょう。1cmくらいの雑誌などを何冊か用意して椅子の脚の下か、テーブルの脚の下に置いて高さ調節をしてみます。例えば今テーブルが71cmの高さなら72cmにするのは簡単ですね。でも、70cmにはできません。その場合、椅子の下に雑誌を置きます。椅子の座面高を上げることでテーブルの高さが低くなったような状態を作ります。もし足もとに違和感を感じたら足の下にも雑誌を敷いてくださいね。1cmで?と思うかもしれませんけど、実際の印象は大きく変わるはずですよ。

色々と試して「あ、これがしっくり来るな」という組み合わせを覚えておきましょう。また、気に入ったテーブルの高さと椅子の座面高を測っておきましょう。

2.次は椅子の座面高だけに注目します。これも高さを変える実験をしてみましょう。今度は足もととモモのあたりに違和感のない高さを探してください。椅子が高すぎると足が浮き、モモに変な荷重がかかり不快なはずです。高い方では45~46cm、低い方で38~39cmを試してくださいね。高さを上げるときは椅子の脚の下に雑誌を置いて、高さを下げるときは足もとに雑誌を敷いて座面高が低くなったような状態を作ります。

さて、どうでしたか?座面高が低い分にはさほど問題はないです。でも、高くなると「う~ん、ちょっと」ってなりませんでしたか? これで「椅子の座面高はここら辺までがいいな」というあなたが心地よさを感じる高さの限界を知ることができます。また「この高さが一番いいなあ」というのもあればその寸法も覚えておいてください。

そうそう、高さの調整できる椅子を持っていたら簡単ですね。それでも試してもいいですよ。

参考までに・・椅子の座面高はシートハイ、SHと表記されます。40~45cmくらいが多いのですが、僕のお薦めは40~42cmです。平均的日本人として椅子にはいくつも座りましたけど45cmはちょっと高すぎるかなあと思います。

もう一つ知識として、テーブルと椅子の関係を表す数値として「差尺」というものがあります。テーブルの高さが70cmで椅子の座面高が40cmなら差尺は30cmということです。テーブルの使い心地はこの差尺の影響が大きいですね。そこで、あなたの心地よさの目安はというと。1で測ったテーブルと椅子の差尺を出して、それを2で調べた心地いいかもという寸法に足すと理想に近いテーブル高さが逆算できます。場合によっては1の実験で既に理想に近いテーブルと椅子の組み合わせを見つけているかもしれませんけど、試しに計算してみてください。

3.さあ、準備は整いました。目安の寸法を頭に入れて家具屋さんに行きましょう!取り敢えず見た目でいいかもと思ったテーブルセットに座ってみましょう。あ、ここで注意!まだサイズを確かめてはいけませんよ。「いつもの作業」を試してみて、ゆったりと座ってみたり、脚を組んでみたり・・脚を組む習慣のある人はこれは是非チェックしてみてね。テーブルのどこかにヒザが当たって不快とか、そもそも脚が組めないとかありますから。大抵は少しだけ椅子を引いたり、座る角度を変えることでクリアーできるので問題ないですが、自分の心地よさを試してください。

「どうかな?」「良い感じ?今ひとつ?」と自分に聞いてみてください。そして「きっと座面高は・・cmでテーブルは・・cmだな」と予想してみてください。その結論を持ってから「サイズはいくつかな?」と店員さんに聞いたり調べたりしてください。さて、どうでしょう・・自分の持った印象と実際の寸法は合っていましたか?いくつか試す内に感覚で高さは大体わかるようになるし、ここまでくると、自分の感覚を信じることができるはずです。これなんですね、大事なのは。自分の体で椅子やテーブルが感じ取れるようになること。

ま、ちょっと手間がかかりましたけど、あなたは色々と考えながら、心地よさの条件を感じ取ろうと実験をしてきたので、テーブルに着けばその違いがわかるようになっているというわけです。この感覚をさらに磨くと・・調べた寸法以外のことも感じ取れるようになりますよ。なんだかしっくりくるなあとか・・あの椅子が座ってほしいと呼んでいるかもとか(ただの思い込みもあります。ハハ)・・ま、そこまで行けば達人です。(笑) なんだか楽しそうでしょ。

そして、さらに達人になると。椅子の寸法や心地よさも気にならなくなります。・・えっ、変ですか?ずっと心地よさを実験してきたのに・・

もちろん椅子やテーブルは何か作業するための道具ですけど、インテリアの一部であったり、ときには何かの象徴であったりします。だから必ずしも心地よさのためだけに作られていません。それと人はそれぞれ体格が違いますから心地よさの範囲も違います。誰にでも心地よい椅子を作ることは難しい。あなたが、もし「心地よくないもん」という理由でその椅子を否定してしまったら、それで椅子の楽しさを狭めてしまうことになります。もったいないですね。

達人は「姿」で椅子やテーブルを見て取るのです。

とかいいながら、買うとなれば、ずっと使うとなれば「心地よさ」が大事ですが、ま、例えば4脚椅子を買おうと思っているのなら2脚を心地よさ重視で選び、あとの2脚を見た目重視で選ぶのはどうでしょう? あるいは4脚をそれぞれ別の目線で買っても良いでしょう。これからご結婚というのならそれぞれが好きな椅子を1脚ずつ選んで、その後ゆっくりとお気に入りを1脚ずつ増やしていってもいいですね。椅子のデザインがバラバラになっちゃう・・というのが心配な人は「座面が木かクッションか」を決めてそれだけは共通にする。そういうことでちゃんとバランスしますから大丈夫です。

折角の家具選びです。自分の感覚を信じて楽しんでくださいね。

そうそう、小さな巻き尺を持って行くと良いですね。「気になるので測って良いですか?」と言えば怪しい人とは思われませんから。それとカタログ値と実際が多少ずれていることはよくありますし、座面高は測る位置で1cmくらいはズレますので、自分の位置を決めておくといいでしょう。例えばモモの当たるあたりとか、一番低い所とか・・

最後にもう一度。決めるときはサイズにとらわれずにあなたの感覚を信じてくださいね。椅子は座面の材質や大きさ、傾斜角度で座り心地、座った高さも変わりますから。

寸法気にするなとといいつつ。不安な方のために参考ということで僕のオススメ寸法をまとめておきます。
テーブル高さは70~71cm
座面高は40~42cm
差尺は28~30cmとなります。

今まで色々と試して設計してきましたが、概ねこれでOKでしたから。

いい家具との出会いがあることをお祈りします!
次回はテーブルの大きさのことなどに触れますね。