こいつは参った。
あぁ、なるほどね。大したもんだ。

昨日、嫁さんが誕生日だった。
そこで、子供たちがニヤニヤしながら
バラの花束を差し出した。

やるねー、うちのガキどもは。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



最近、3人の子供たちは家の手伝いに精を出していた。
皿洗いで50円。
洗濯ものを2人でたたんで50円。
お風呂掃除を2人でして50円。

「バイト代が安い!」

と賃上げ交渉をしていたが、
嫁さんがダメ出しをしていた。

洗濯ものがきっちりとたためていない。
お風呂掃除もきれいにになりきっていない。
こんな仕事でそれ以上は支払えない!

事情を知っている僕はただ黙って見ていたが、
子供たちは貯金箱にそのお金を貯め続けていた。

まぁね、単価がそれだけ安いとね…。
目標金額にはどう見ても到達していなかった。

無理でしょー。
残念だけれど…。




しかし、子供たちはあきらめなかった。
それまで貯めた小銭をかき集め、花屋へ突撃。
3人で熱のこもった「プレゼン」を展開したらしい。

その花束は1600円。
バラをプレゼントしたいんだ、と。
しかし3人で持って行けたのは1000円。

店先で子供3人の猛プレゼン。

困った花屋さんは花を数本分け、
少しだけ小さめの花束を作り直してくれたそうだ。
あはは、ご迷惑をおかけしました(笑)。

でもなるほどね。
あきらめないところ、
プレゼンして、何とかしてみようとするところ。
ちゃんと僕の子供たちだ(笑)。



花を手にした嫁さんは少々泣きそうになっていたが、
やっぱり誕生日だもんね。家族で祝っとかないと。



今、このバラは小さな花瓶に飾られて、
僕ら家族を笑顔で見守ってくれている。
さぁ、今日も大事なミーティングだ。