そう来たか…。
全くおせっかいな…。

そう言いながらも、彼らの気持ちに触れて、
やはり嬉しい。僕は友人に恵まれている。
そう確信できた。




足を踏み出す。
頂上はまだ見えない。
全然見えない。

って言うか、




渋滞、ひどいな、おい!




富士登山、これから検討されてる方に
警告です。
富士山を登るときは
皆さん、マナーを守りながら登ります。

そう。

マナーその①。



「むやみに抜かさない」



結果、遅い人の後はドンドンつまっていく。
しょうがない。
みんなそうしてるし、
一緒に行くしかない。



5合目で買った金剛丈に、

6合目、

7合目

8合目、と

それぞれある山小屋で「刻印(こくいん)」を刻んでいってもらう。

ちなみに、この刻印、有料です。
でも記念になるので、おすすめ♪
僕は全部の山小屋の刻印、集めました♪

どんどん高くなる。
体力はある方なので、
僕はそれほどでもなかったが、
友人たちの息も切れ始める。

けっこう体力的にきつくなった人もいるようだ。

でも、僕はなんだか平気だった。
友人たちの心意気が嬉しかったし、
何より、日本人だ!

富士山、登ってみたいじゃあないですか!!

8合目まで登った段階で、
大渋滞もあったせいか、かなり夜も遅かった。

そこの山小屋で、カレーライスが出る。
一緒に上ってる友人、
食欲がないらしい。

僕一人で2人前食べる。

美味いですねー。
こういう所のカレー。

インドに意味もなく感謝したくなる瞬間だ。




山小屋は所狭し、と
登山客であふれかえっている。
狭いスペースで仮眠をとるしかない。

ん?

仮眠?




そうです。
富士登山のだいご味は
なんてったって、


ご来光(ごらいこう)


富士山に登って、
日の出を見るのですよ。
日の出を。
その名もご来光。

そんなわくわくモードの僕たちに、
山小屋の冷静な管理人は話す。

「ご来光な、見られたらいいな。

ここんとこ…


4日くらい、見られてないがな」





えーーーー(驚)


そんなに見えないもんなの??
登ったら毎日見えるんじゃないの?

だって、ほら、
テレビとかでやってるじゃん!

タレントさんが

「きれーーーい」

みたいな。

よく話を聞くと、んなもん、運が良かっただけで、
ご来光というものはそんなに
毎日のように見えるもんではないらしい。

知らないし。んなこと。

でも、ここまで登って、
頂上、曇り空ってどうなの


祈るようにして、
1時半まで仮眠をとる。

睡眠は2時間。

そして、再び出発。
頭にヘッドライトをつけて、
真っ暗闇の富士山を登る。

どんどん冷えてくる。
山頂付近は2度か3度。
真夏で。

なんだか異様な光景。
みんな、早朝すぎて、テンション、低いし。
周り、真っ暗だし。

何とか山頂に到着する。

集めてた金剛丈の刻印を
最後の一つまで押して、コレクション、完成。

そして、夜明けを
ただ、
ただ、



僕は待った。