クラウド時代と<クール革命> (角川oneテーマ21)/角川 歴彦

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角川グループのCEOの角川さんが著書の、『クラウド時代とクール革命』を読み終わりました。

全7章のうち、クール革命については第1章しか触れておらず
残りの6章は主にクラウド寄りの話になっていました。

まるでどこかのITジャーナリストが書いたんじゃないの?と
思ってしまうぐらいw詳しくクラウドについて語られています。

この本の前に読んだ『ウェブ大変化』をさらに易しくしたイメージでした。
※ウェブ大変化についてはまた書きます。


印象に残ったセンテンスと、そのとき感じたものをメモ。

・アメリカは自国メーカーが日本のメーカーに盟主の座を明け渡した後
 国際戦略として知財に注力。その結果、ハリウッドに代表されるコンテンツで世界を席巻。
 日本も知財にシフトしなければならない。
 ⇒日本も韓国や中国のメーカーにおされており、いずれ完全にとってかわられる可能性が高いですね。
  古きよき日本の時代にしがみつくのではなく、コンテンツを重視していくべきという主張には同意です。

・シンガポールにはすでに一人当たりのGDPでは負けている。
 シンガポールなどの所得水準があがるのは日本人がシンガポールでも同じ働きをすれば
 同じ所得を得られるということなので悪いことではない
 ⇒やっぱ英語ですね。
  勉強しないと。

・日本は江戸時代も第二次大戦後も鎖国することで、自国の産業や文化を守り
 世界第二位のGDPを達成してきた
 ⇒日本はガラバコス、ガラバコス言われるけど、鎖国という表現はなるほどと思いました。

・日本の産業構造は輸出に依存しており、食糧の半分以上、エネルギーのほとんどを海外から輸入。
 よくも悪くもグローバリゼーションは日本の宿命。

・iPhoneはハードウェアから課金まで支配した垂直統合によるハイブリッド型のビジネスモデル
 ⇒任天堂のDSもオープン化して、コンテンツを増やし、決済部分を握る戦略にいずれなりそうな気がしました。

・21世紀の新しい産業革命はクラウドコンピューティングから始まる。
 企業はソフトウェアを所有から利用へ。
 ⇒PaasやIaasのことまで書かれているので、著者が本当に興味あるところ書きたいところは
  ここらのクラウド周辺なんだろうなということがよく伝わりました。
  どこからどこまでが角川さんの本当の想いなんでしょうねw
  ズレてるわけではないのでしょうが・・。


いろいろ思うところはありましたが、コンテンツ産業・インターネット産業はこれから更に伸びて
ビジネスチャンスも多い産業であることは間違いないので、どの業界で働いていようと
現代のビジネスマンは読むべき本であると思いました。

インターネットに詳しくない人はとくに勉強になると思います。


もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら/岩崎 夏海
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ビジネスブックマラソンで紹介されていて気になっていた
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』を読み終わりました。

ドラッカーの『マネジメント』は世界で非常に沢山の人に読まれている
マネジメントの本ですが、このマネジメントとは組織運営のことであり
ドラッカーが書いているマネージャーとは、経営層であったり管理職のことを指しています。

日本の学校の運動部にいるマネージャーとは役割が全然違ってて、かりに運動部で例えるなら
監督がドラッカーのいうマネージャーです。

それをあえて野球部のマネージャーにドラッカーのマネジメントを実践させる発想が面白すぎですw
内容はライトノベル風な小説になっていてスイスイ読めました。

ドラッカーの『マネジメント』のポイントをシンプルに抽出して
主人公のみなみが実践することで、組織が変わっていく様を見るのは読んでいてワクワクさせてくれます。

本家の『マネジメント』は非常に量が多いので、まだ読んでない人はまずはこの本で
雰囲気をつかんでおくのがいいのかもしれません。

そして以前、『マネジメント』は読んだけど内容忘れちゃったなー、て人が復習がてら
読むのもよさそうです。

グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略 (Harvard Business Sc.../シャーリーン・リー



¥2,100

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日経ネットマーケティングの「2009年版 ネットマーケティング必読書
」で薦められていた


グランズウェルを読み終わりました。




グランズウェルとは「うねり」のことで


今まで企業から一方的に発信されていた情報が、消費者から企業へ逆流する時代に


なったことを「グランズウェル(うねり)」として紹介しています。




序盤はグランズウェルに飲み込まれた企業や、Web2.0に代表されるグランズウェルの


テクノロジーの話で占められており、正直「いまさら・・」と退屈しながら読んでいました。


(ブログとかWikiとかSNSとか。。)




しかし、序盤を過ぎるとグランズウェル時代の消費者分析手法や他社事例がふんだんに


盛り込まれ、非常に読み応えのある本となっていきました。




更には、社内でグランズウェルマーケティングを推進するための


キーポイント(幹部を巻き込む方法)などおせっかい(?)なぐらい、事例を含めて丁寧に書いてありました。




サイト自体を流行らせることではなく、サイトを使ってどう自社のビジネスに結びつけるか


ROI(費用対効果)をどのように考えるか、のヒントと可能性をおおいに気づかせてくれる本です。




「Webマーケティング担当者にオススメ」という紹介に偽りのない本でした。