JBL Control SB-2 エッジのシリコンコート | YUTAKA ProTools

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”YUTAKA ProTools”でのメンテナンス日記を公開しています。

~はじめに~
 思ったよりデカかった。。


 

 

~デザイン(設計と仕様)の紹介~

 なんとも掴みどころのない形をしています。JBLの設備用スピーカー「Controlシリーズ」の10インチサブウーハーです。なんといっても面白いのが、単発ウーハーでステレオ入力であること。いえ、特にホームシアターのスーパーウーファー(ここでは同義とする)では2ch分の信号ををネットワーク上で抵抗を咬ませたり、ライン信号の時点でモノラルにミックスしてしまうという方法を多く取るのに対し、本製品はコイルを二重にするという斬新な方法でミックスしております。つまり、ひとつのボイスコイルに二重らせん構造のように2チャンネル分のコイルを巻きつけていると考えられます。

 

 周波数特性を見る限り、低域は100Hzを限界とする小型のHi-Box(中高域を担当するスピーカー)との相性が良さそうですね。つまり、前の記事で紹介したControl-1Proのような小型フルレンジとの組み合わせで、足りない低域を増強させるために最適と言えます。
 許容入力は片チャン170w×2の340w(musicpower)ですので、室内使用での耐入力は十分でしょう。

 

~余談~

 それこそオーディオという趣味にのめり込み始めた頃は、低音がわかり易くドシッっと出るスピーカーにばかり憧れていました。それも歳と年を重ねるとだんだんと変わるもので、中高域のリアリティこそがスピーカーづくりとしての技術と性能が現われるポイントである事に気づき始めるんですね。

 もっとも、低音から高音までののトータルのバランスの良さを前提としたものですが。なんか、大人になってしまったんだなと感じます。

 

~本日の作業~
■全体の流れ

①とりあえず分解して観察

②エッジのシリコンコート

③配線して設置

 

※①とりあえず分解して観察

 得体の知れない物は信用できない質な者で、今回も観察していきます。フロントは6本のビスで留まっています。外すと10inch(25cm)のウーハーユニットが拝めます。普段46cmのウーハーに見慣れているので、これでもコンパクトスピーカーに見えてしまいます。

 前述の通り、ボイスコイルが同芯2chの為、ターミナルも2系統あります。

 内部は空っぽで、ハコ鳴り対策の棒は見当たりませんがその分、厚めの板で構成されています。
 

 ネットワークは簡単なハイパスとローパスとなっております。

 

※②エッジのシリコンコート

 心配していましたがやぱりJBL特有のウレタンエッジでした。特にこれから梅雨ですし、ウレタンの劣化を少しでも遅らせる為にシリコンコートして加水分解の進行を防ぎます

 

※③配線して設置

 上側が入力(LR)です。配線をなるべくシンプルにしたいのでCANAREの4S8の4芯で一気にステレオで送ってしまいます。下側からネットワークからはハイパスフィルターを通した低音をカットした音がHi-Boxにそのまま接続できるようになっています。

 っが。。。ここで問題発生。ハイパスを通した音があまりにも細く、低音との繋がりが悪かったのです。結局、Hi-Boxへの信号はControl SB-2を介さない方法、つまり純粋にフルレンジで鳴らす事にしました。
 後者の場合の鳴らし方は音量バランスも繋がりも良く、強調しすぎない低音を演出してくれました。

 

~完了~

 よくあるポン付けのサブウーハーのようなボワボワとした品の無い低音ではなく、非常に低い音だけをさりげなく出してくれます。クラシックなどを聴くと、バスドラムの力強いドスッっという音を感じて、サブウーハーの存在を思い出すくらいさりげないのですが、きちんと仕事をしてくれます。

 こういう事ですよ、良いスピーカーって。

 

 大きな箱が来ると必ず内装チェックを欠かさない八兵衛くんです。この箱はとても相性が良かったみたいで、毎日気が付けば入っているのでしばらく捨てられませんね。