リスクのない社会は非常に心地がいいと思います。
預金をすれば利子がつかなくても価値が減らない。
株価も不動産価格も一定か、むしろ下がっていく。
倒産する危険性の全くない会社に就職する。
お年寄りは十分な年金と医療補助を受け、将来に対する不安も少ない。
良い社会です。
今の日本はある一定の層に属することができれば、安住の地かもしれません。
しかし、そこから漏れた人や世代はどうでしょうか?
国民が高まる貨幣価値に安住し、貨幣を貯め込めば消費や投資は増えません。
結局、そこから漏れた人は非正規雇用や就職困難に直面します。
そして若者が増え成長し年寄りを十分養える経済モデルによって打ち建てられた現行の社会保険制度。
これを存続させれば、今の若者に将来必ずツケが来る。
日本はもう十数年、名目成長してないんです。そして若者は確実に減り年寄りは確実に増えている。
そもそも社会保障システムを変えなければ、この国は早晩立ち行かなくなることは目に見えています。
しかし、政治家もマスコミも付け焼刃的な増税を連呼するだけで、社会保障システムの崩壊を必死で隠しだてしている。実際、成長してないわけですから今から成長しない社会保障システムに変更すべきでしょう。
しかし、怖くて誰も言いだせないんです。
成長さえすれば、現行システムが維持可能なんてこともありません。
人口の構成比が変わっているんです。
現実的な成長率を想定して社会保障システムを持続可能なものに切り替えるべきです。
インフレ率が3-4%を超えれば、社会保障、財政支出を含めた収支の均衡を計らなければなりません。
まずはいち早く、名目成長率を上げ社会保障を含めた収支均衡を達成すべきです。
リスクのない社会は停滞を招きます。
逆を言えば、リスクのない社会は非常にリスキーなんです。
「成長しない日本」にも「成長さえすればすべて解決可能に」も反対です。
日本は成長を遂げ、なお且つ、持続可能な社会システム再構築の両方の達成を迫られているんです。